国土交通省は、全国で再度災害が多発する事態を受け、地方自治体による河川堤防や護岸などの改良復旧事業を促進するため2027年度に制度を拡充する方針だ。外形的に欠壊していない場合でも、浸透の被害を受けて機能が損失している場合は「一定災」の対象とする。河川等災害関連事業などの採択に関する現地調査は、実施時期が発災から2カ月以内を原則としているが、河川整備計画などの大幅な見直しが必要な場合は次年度まで延期することも可能とし、十分に見直しを検討する時間を確保する。
近年、気候変動の影響による豪雨で洪水規模が大きくなる中、被災が度重なるケースが多くなっている。宮城県の名蓋川では、15年関東・東北豪雨、19年東日本台風、22年7月洪水といった豪雨災害に見舞われた。そのたびに堤防決壊が発生したことを受け、22年7月洪水の被災後に改良復旧を実施し、再度災害防止に備えている。
国交省は、地方自治体の改良復旧事業の活用を促すため制度拡充を検討している。
広範囲の被災に対し一定の計画に基づいて復旧を行う「一定災」については、外形的に完全欠壊が確認できる場合を対象としている。ただ、部分的な欠壊や形状の変化がない場合でも、浸透などで堤防の機能が実質的に失われている状態は対象としていない。
そのため、被災後の施設機能の評価で全面的な復旧が必要と判断されるものは完全欠壊とみなし、一定災の対象とする考えだ。堤防や護岸などの有堤部では浸透により内部に水の通り道が形成され、機能が失われている状態を対象に加える。人工的な堤防がない堀込河道では、河床低下による機能損失が確認される場合も対象とする。
また、改良費を加えて改良復旧を行う河川等災害関連事業や河川災害復旧助成事業の採択に関する現地調査について、現状では発災から2カ月以内に災害査定と同時に行う必要がある。河川整備計画などを見直す期間を十分に確保するため、大幅に見直す場合は発災した年の次年度までに実施するように改正する。
