
台風25号による大雨で堤防が決壊した千葉県の印旛沼の緊急復旧工事が、完了した。決壊により広範囲にわたって浸水被害が生じる中、建設業が総力を結集し3週間で工事を終えることができた。千葉県と水資源機構、国土交通省関東地方整備局は、『チーム印旛沼』を結成し、工事への技術支援などを通じて迅速な施工に貢献した。
9月20日から21日にかけて発生した大雨により、千葉県が管理する印旛沼(成田市船形干拓)では、延長72・6メートルにわたって堤防が決壊した。緊急復旧工事は、鹿島が担当。10月3日までに荒締切工を済ませた後、鋼矢板による二重締切工を進めて完了にこぎつけた。
印旛沼周辺にある角川集水路(同市下方)と長門川(栄町酒直)でも堤防決壊が起きたが、角川集水路は小高興業、長門川は村樫建設工業が緊急対応し、9月末までに荒締切工を完了させた。
関東地整は、県からの要請を受けTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)を派遣し、日本建設業連合会とともに技術支援を実施。特に決壊の規模が大きかった印旛沼では工事監督も含めてサポートした。水資源機構は工事の施工性を高めるため、排水機場の排水ポンプを稼働するなど印旛沼の水位低下に尽力した。
16日には現地で施工完了の報告会を開いた。熊谷俊人千葉県知事と西澤賢太郎関東地整局長、岡村次郎水資源機構理事長が出席し、四童子隆千葉県県土整備部長らからこれまでの対応について説明を受けた。
鹿島の伊藤琢也印旛沼災害復旧工事事務所長は、一日も早い復旧を目指すとともに、「何より現場で働いている仲間に絶対にけがをさせないという強い意志で工事を進めた。無事故で完了したことをうれしく思う」と振り返った。
熊谷知事は「3週間という驚くべきスピードで完了したことに心から感謝する。日本の技術力、組織力、そして団結をこの場で力強く示してくれた」とたたえ、被災地の強靱化を含めた今後の本復旧への決意を新たにした。

