海洋工事を担う技能者のほとんどは既に、給与形態が月給制になっていることが、日本埋立浚渫協会(清水琢三会長)の調べで分かった。気象海象条件に大きく左右され、平日の作業休止も少なくない性格上、安定的な月給制でなければ、担い手確保がままならないからだ。ただ、月給制は定着しているものの、専門工事各社は人員確保に苦労しており、賃金上昇も道半ばの状況にある。
作業船保有会社59社、潜水会社65社、港湾多能工等雇用会社124社を対象にアンケートを行った。
賃金の支払い方法は、作業船会社の83%、潜水会社の68%、多能工会社の71%が月給制だった。日給月給制(給与は月額で決定)はそれぞれ15%、25%、17%で、年俸制も2%、6%、2%あった。これらを合わせた月給制相当以上は、作業船会社と潜水会社が各99%、多能工会社が91%となっている。
建設業界内で一般的に称されている日給月給に相当する「日給月払い制(給与は日額で決定、勤務日数で月額が変動)」は、作業船会社と潜水会社が各1%、多能工会社が9%とごくわずかだった。
また、20年前に比べて約2倍に上昇している設計労務単価と、実際の支払い賃金の状況を聞いたところ、労務単価のアップ率に届いていない割合は、作業船会社が70%、潜水会社が80%、多能工会社が76%と大多数を占め、賃上げは道半ばとなっている。
担い手確保には各社苦労しており、作業船会社は68%、潜水会社は53%、多能工会社は71%が、必要人員を確保できていないと回答した。
海洋土木工事に従事する技能者の処遇改善を巡っては、作業実態に即した建設キャリアアップシステムの能力評価の実施などを目的に、日本海洋土木技術協会が5月に発足した。埋浚協も関係団体と連携しながら主体的に関わり、レベル別賃金支払いの実現などを通じて、海洋土木技能者の処遇改善や適正な賃金確保を目指す。
