国土交通省の社会資本整備審議会、交通政策審議会は20日、今後のインフラマネジメントの在り方に関する中間答申を井林辰憲国土交通相に提出した。中間答申を受け取った井林国交相は「(埼玉県)八潮市のような重大な事故が二度と起きないよう、国民の安全・安心を守るための取り組みを進める」と述べ、中間答申を踏まえて政策の具体化を進める方針を示した。
両審議会の下に設置したインフラマネジメント戦略小委員会委員長の家田仁政策研究大学院大シニアフェローが中間答申を提出した。
家田委員長は中間答申でインフラマネジメントへの転換を打ち出したことについて、「インフラメンテナンスでは現状維持となってしまい、戦略的に考える意識が乏しくなる。より良く改良することに重点を置いたマネジメントへの転換が大きな柱だ」と強調した。
井林国交相は「予防保全はライフサイクルコストを下げるため、『責任ある積極財政』の一丁目一番地になる政策だ。中間答申を基に政策を組み立てていきたい」と力を込めた。
中間答申では従来のインフラメンテナンスからインフラマネジメントへの戦略的転換に向けた方向性を提示。計画、設計、整備、点検、修繕、更新などインフラのライフサイクル全体を一体で捉える統合的マネジメントの構築を中核に据えた。点検箇所や頻度のメリハリ、インフラの現況の見える化徹底、インフラマネジメントに関する機運醸成、建設業などインフラマネジメント産業の振興も国交省が講じるべき重点施策とした。
統合的マネジメントの構築に向け、地域の将来像を踏まえ計画的に維持、修繕、集約を実施するための制度の検討を求めた。地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)の手引きの充実や、地方自治体向けの支援体制の構築も要請した。
建設業の担い手の確保・育成をはじめ、インフラマネジメント産業を持続的に発展させるため、「業界力」を高めることを提言。地域の維持管理業務を効率的に受発注できる仕組みの検討を要望した。産学官の連携による老朽化対策の新技術の実装も進めるべきとした。
