国土交通省は21日、「持続的な成長産業としての建設業のあり方に関する検討会」の下に設置した企業評価ワーキンググループ(WG)を開き、経営事項審査などの評価制度の検証作業を本格的に始めた=写真。現行制度の見直しや新たな評価制度の検討に向け、建設企業に実施した企業評価に関する調査結果を共有。委員からは建設企業が労働市場で選ばれるようにするため、評価結果の見せ方について改善を求める意見が出た。
WGでは処遇改善や生産性向上に取り組む企業が選ばれる環境を構築するため、現行の評価制度を検証し、新たな評価の視点や評価の活用策について論点を整理する。
調査では日本建設業連合会、全国建設業協会、全国中小建設業協会、住宅生産団体連合会、建設産業専門団体連合会、日本電設工業協会、日本空調衛生工事業協会を通じ、各社が考える現行制度の課題と改善点、企業評価のニーズを聞いた。
経審については「W点(その他審査項目)」の見直しに関する意見が多く、「ウェイトを高くすべき」や「評価項目を整理すべき」など両論があった。W点を独立指標として活用する提案も寄せられた。
見える化評価制度は認知度の低さを課題に挙げる回答が元請け、専門工事業とも大半を占めた。元請けは別の方法で協力会社を評価していることが多くニーズは限定的だった。
現行制度とは別に、元請けと専門工事業を横断する評価制度を設けた場合のニーズを聞くと、供給網全体やプロジェクト単位での評価に活用できるとの意見があった。
杉田昌平弁護士は経審の評価結果の一部を抜き出して求職者や学校向けに活用する方法を提案。「同じ項目でも見せ方を変えると目的が達成できるのではないか」と述べた。
日本政策投資銀行の鈴木章弘都市開発部長もステークホルダーに対する評価結果の見せ方が課題と分析し、データの検索性や即時性を高める必要性を指摘した。
座長の蟹澤宏剛芝浦工大建築学部教授はW点で評価する建設企業の社会貢献性を「発注者だけでなくエンドユーザーにも見せていくことが必要」と言及。また、「建設キャリアアップシステム(CCUS)は業界の基盤として定着している。CCUSとセットで考えて正直者が評価される仕組みをつくらなければならない」と強調した。
