
政府は23日、2026年度の文化勲章を、建築家の伊東豊雄氏(85)や照明デザイナーの石井幹子氏(88)ら8人に贈ると決めた。一方、文化功労者は建築史家・建築家の藤森照信氏(79)ら21人が選ばれた。
伊東氏は、文化勲章の知らせに「一人で建築の仕事はできない。構造の設計者や家具デザイナーなど、良いチームに恵まれた。チームでの仕事が評価されたと思う。僕の名前でもらうのが申し訳ないぐらい」と謙虚に受け止める。
せんだいメディアテーク(仙台市)といった公共建築の設計で知られる。東日本大震災の復興支援として手掛けた被災者の交流拠点「みんなの家」は、熊本地震などでも継承された。「建築家に何ができるのかを考え直す機会になった」。
目指すのは「自然に近い建築」。大都市の建物は高層化が進み、均質的になっていると指摘。「その地域や自然と、どのような関係を持った建物を造れるかが、これからの課題だ」と目標を語った。
一方、日本の照明デザイナーの先駆者でもある石井氏は、「照明分野の人たちが勇気づけられ大変ありがたい」と喜び、「一日の半分は夜だから。夜に良い仕事をしている人がたくさんいる」とした。
都市景観の魅力を広げた1989年の東京タワーライトアップをはじめ、国宝の姫路城や岐阜県の白川郷合掌造り集落、横浜ベイブリッジなど代表作は数知れない。2018年にはパリのエッフェル塔を幻想的な光で彩り、世界を驚かせた。
照明デザインは「アートとテクノロジーの両輪」が持論。新技術をいち早く取り入れる一方、土地の歴史を重んじ、刺激は追わない。「人は美しい明かりに引き寄せられる。心に染みるような光を創りたい」と信念を語る。「100歳まで仕事しなきゃ」と意気盛んだ。
