国土交通省は、1級建築士試験制度見直しの方向性について案をまとめた。建築に関する基本的かつ総合的な知識・能力の評価がより的確に実現できるよう、試験内容をより本質的、基本的なものに重点化する方針だ。改正建築士法による在学中受験が可能になることを踏まえ、学科試験では受験者の負担軽減や受験機会の拡大に向けて、合格科目試験免除制度の導入などを検討する。2029年度試験からの見直しを想定しつつ、27年度試験でも一部の見直し内容を反映させる考えだ。
国交省は、中央建築士審査会の下に設けた試験制度見直しに関する小委員会の初会合を10月に開いており、その資料や議事概要を公表した。
設計製図試験の見直しでは、失格・減点事項をあらかじめ開示し透明化を進めることや事前に特別な対策が必要となる特殊な用途や設計条件による出題はしないことを検討している。さらに、図面の記載事項を必要なものに限ること、建築として成立するかどうかに関わる基本的な設計内容や建築法規に関する内容を主に出題することも考えている。
現行の学科試験免除期間は、学科試験に合格した年を含めた5年間で、期間中最大3回免除される仕組みとなっている。今後は、受験者の実情に応じた受験を可能にするために期間の在り方を見直す。
29年度の見直し以降も、建築物1棟の設計図書を作図させる試験方法を継続するか、設計図書の妥当性・問題点を把握する能力を評価する試験など新たな試験方法を導入するかなど中長期的に検討していく。CADやBIMによる試験についても合理的な試験方法となるか検証を進める。
委員からは、在学中受験について「卒業する見込みがある者の要件の確認方法はなるべく簡素にすべきだ」との意見が出た。受験資格を得るために必要な指定科目の単位数に関しては、現行の最低40単位から、30単位への削減を提案する意見と40単位を維持すべきだとする意見の両方が寄せられた。
