神奈川県と県内12市は6日、第68回神奈川建築コンクールの入賞18作品を発表した。最優秀賞は、一般建築物部門が『明治大学生田キャンパスセンターフォレスト』(設計=日建設計、施工=フジタ)、住宅部門が、建築家・井上玄氏の『素襲の家(そかさねのいえ)』(設計=GEN INOUE、施工=藤本工務店)、個人の『ニカイメノイエ』(設計=中田製作所、施工=該当者なし)に決まった。表彰式は19日に横浜市開港記念館で開く。
「明治大学生田キャンパスセンターフォレスト」は、大学キャンパスの再編計画で、老朽化した教室棟を更新し、既存図書館の機能を移転集約した新教育棟となる。PC(プレキャストコンクリート)床版により内部に自由度の高い吹き抜け空間(センターコモンズ)を確保し、縦方向の杉板型枠を使用したRC(鉄筋コンクリート)打ち放し仕上げの列柱がさまざまな役割を担いながら象徴的に内外をつないでいる。図書館の移転計画にも工夫がみられ、総合的に優れた建築とされた。
「素襲の家」は、石場建ての基礎や手刻みによる大工技術、竹小舞と土壁による住民参加型の施工を通じて、環境負荷を抑えるだけでなく、市民が家づくりに関わる現代の「結(ゆい)」に挑戦。施主である設計者が施工者とともに、建物のつくり方そのものを社会へ開いた点を評価した。
「ニカイメノイエ」は、設計者・施工者である家族が古家屋を購入し、自ら解体して得た構造材、板材、土などを約30%再利用した新築の住宅。建築材料を次世代へ受け渡すアップサイクルの仕組みへ展開する姿勢が、今後の住宅生産につながるのではないかと評価された。
受賞作品は次のとおり。▽作品名(所在地)=(1)建築主(2)設計者(3)施工者、敬称略。
=一般建築物部門=
〈最優秀賞〉
▽明治大学生田キャンパスセンターフォレスト(川崎市)=(1)明治大学(2)日建設計(3)フジタ
〈優秀賞〉
▽徳生公園のトイレ(横浜市)=(1)横浜市(2)濱田慎太建築事務所(3)菅野建設▽日本体育大学横浜・健志台キャンパス再開発整備(横浜市)=(1)日本体育大学(2)久米設計(3)清水建設▽川崎市立新小倉小学校(川崎市)=(1)川崎市(2)梓設計(3)山根工務店・野州工業・ハヤカワJV▽野毛山動物園なかよし広場ふれあいコーナー・休憩所・トイレ(横浜市)=(1)横浜市(2)小泉アトリエ一級建築士事務所(3)風越建設▽三菱ケミカル Science&Innovation Center(横浜市)=(1)三菱ケミカル(2)竹中工務店(3)竹中工務店▽三河屋本店改修計画(鎌倉市)=(1)個人(2)アラキ+ササキアーキテクツ(3)斉藤建設
〈アピール賞・環境〉
▽東芝総合研究所イノベーション・パレット(川崎市)=(1)東芝(2)東芝、大成建設(3)大成建設
〈アピール賞・景観〉
▽逗子整形外科内科医院(逗子市)=(1)個人(2)nenlin、甘粕建築設計事務所、Eureka(3)キクシマ
=住宅部門=
〈最優秀賞〉
▽素襲の家(逗子市)=(1)井上玄(2)GEN INOUE(3)藤本工務店▽ニカイメノイエ(逗子市)=(1)個人(2)中田製作所(3)該当者なし
〈優秀賞〉
▽大磯の家(大磯町)=(1)個人(2)磯建築設計事務所(3)瀬戸建設▽円筒分水とともに暮らす(川崎市)=(1)片岡翔(2)片岡翔(3)トトモニ▽MEIGETSU―K(鎌倉市)=(1)個人(2)可児公一植美雪(3)横溝建装▽Flying Sengokuhara(箱根町)=(1)リーダー・アレキサンダー(2)古谷デザイン建築設計事務所(3)栄港建設▽白浜町の家(茅ヶ崎市)=(1)個人(2)山田建設(3)山田建設▽虫村(ばぐそん)―都市と農村の間にある住まい方のかたち―(相模原市)=(1)中村真広(2)ツバメアーキテクツ(3)該当者なし
〈アピール賞・狭小地の住宅計画〉
▽Lichtstufen―Haus(リヒトシュトゥーフェン・ハウス)(横浜市)=(1)個人(2)水谷夏樹建築設計事務所(3)中山建設。



