神戸市と関西学院は、王子公園再整備における大学設置・運営事業で「関西学院大学王子キャンパス(仮称)」の設置に合意し、22日に基本協定を結んだ。2024年度中に土地譲渡契約を締結し、29-31年ごろの開校を目指している。
事業では、神戸市が再整備を進める王子公園(神戸市灘区王子町2-1-1)のうち3.5haを100億円で関西学院に売却。関西学院がキャンパスを設置・運営する。
関西学院の提案によると、「自分で、みんなで。未来を起動するオープンイノベーションパーク―地域・社会・世界が大学に入ってくる学び―」をコンセプトに新キャンパスを整備。市と連携して阪神間を代表する学術・文化拠点のシンボルの創出を目指す。
王子は関西学院の創設土地であり、1929年に西宮市上ケ原に移転するまで「原田の森」としてキャンパスを構えていた。今回、約100年ぶりに王子にキャンパスを整備することから「新たな『原田の森』の創造」と銘打ち、学生数4000人、教職員数200人規模の学びの場を整備。国際化、産官学民連携、デジタルを強化して「未来をデザインし、起動できる世界市民」の育成に取り組む計画だ。
神戸市は、キャンパス整備を含む王子公園の再整備において、▽新たな「原田の森」の創造▽学術・文化拠点のシンボルの創出▽王子動物園の魅力向上▽公園とスポーツ施設のリノベーションと魅力向上▽広域防災拠点の機能強化–の5項目を目標としている。
大学以外の整備事業者の選定には設計施工一括発注(DB)方式を導入して24年度中の手続き開始を目指している。
アドバイザリー業務はプロポーザルによりPwCアドバイザリー・オリエンタルコンサルタンツJVを委託候補者に選定している。