人と人のネットワーク構築/道路の在り方考え、未来切り開く/日本道路会議が開幕 | 建設通信新聞Digital

11月9日 日曜日

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人と人のネットワーク構築/道路の在り方考え、未来切り開く/日本道路会議が開幕

深澤会長
沓掛局長
 全国から産学官の道路関係者が一堂に会し、広範な課題について意見交換をする日本最大の道路に関する会議「第36回日本道路会議」が6日、東京都千代田区の都市センターホテルで開幕した。「豊かで安全な日本の未来を支える賢く持続可能な道路とは」をテーマに、最新事例や研究成果、課題などを共有し、今後の道路事業の発展につなげる。6、7の両日にわたって基調講演やパネルディスカッション、一般論文・事例報告発表などを行う。日本道路協会(深澤淳志会長)が主催する。
 冒頭、深澤会長は「この大地で生活し、経済活動する以上、道路は不可欠なインフラだ。さまざまな社会課題を解決する一つの大きな手段が道路となる」とあいさつした。
 2050年に向けた道路政策の方向性を示す『WISENET(ワイズネット)2050・政策集』の取り組みに触れたほか、安全への投資やインフラの老朽化対応といった課題に対しては、「AI(人工知能)やDX(デジタルトランスフォーメーション)、自動化、作業効率化の技術、広範なデータの利活用が不可欠だ」とし、「より良い日本の未来を支える道路の在り方を、ともに考えよう」と呼び掛けた。
 国土交通省の沓掛敏夫道路局長は、「一般論文発表、ポスターセッションに加えて、提案型の論文発表を用意する。優秀な論文は国交省の現場でその技術を施行することを考えている。多くの知見を共有し、新技術を広めることで道路、社会の発展に努めていける有意義な場になれば」と述べた。
 続いて、沓掛局長が総括基調講演を行った。道路ネットワークの力について、ワイズネットなどをはじめとする道路政策や、海外の事例を交えて、国際競争力の強化、脱炭素社会の実現、次世代技術との連携などがもたらすネットワークの在り方を紹介した。
 沓掛局長は「質の高いネットワークを整備しつつ、強靱化とマネジメントを実現しながら情報と新技術を実装し、道路網を縦横無尽に使いこなすことがネットワークの力になる」とした上で、「この会議は人と人のネットワークを構築する最高のプラットフォームであり、各場面でネットワークをつくって未来を切り開いてほしい」と締めくくった。