解体現場のアルミスクラップ/新築建物でサッシに再生/水平リサイクル構築 CO280%減/大林組 | 建設通信新聞Digital

12月22日 月曜日

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解体現場のアルミスクラップ/新築建物でサッシに再生/水平リサイクル構築 CO280%減/大林組

水平リサイクルフローのイメージ図
 大林組は、不二サッシ、伊藤忠メタルズと連携し、解体現場で発生したアルミスクラップを新築建物でアルミサッシとして再生利用する取り組みを実現した。解体工事で発生するスクラップからアルミ材を選別回収し、アルミサッシに再生して大林組の建設現場で利用。トレーサビリティーを明確にした水平リサイクルフローを構築した。新材のみを利用したアルミサッシに比べて、製造時のCO2排出量を約80%削減できる。 適用第1弾として、東京都内の建物解体工事で発生したスクラップからアルミ材を選別し、伊藤忠メタルズが回収・加工・管理し、不二サッシに供給。不二サッシは回収されたアルミ材を原料化してアルミサッシを製造し、大林組が施工する大林組技術研究所(東京都清瀬市)のオープンラボ3新築工事第2期部分に利用する。
 今回の取り組みではアルミスクラップの排出元と再利用先を特定し、サッシ工場近郊エリアを中心に一連の作業を完結させるフローを構築したことで、輸送によるCO2排出量も軽減している。
 大林組ではこれまで、資材製造時のCO2排出量が大きい鋼材に着目し、2024年6月に国内初となる建物解体後の鉄骨構造部材を新築建物へリユースする取り組みに着手した。同年11月に鉄スクラップの水平リサイクルフローを構築するなど、リユースのための設計手法の検討、技術開発やリサイクルのための最適な輸送フローの構築といったさまざまな建設資材の循環利用に取り組んできた。
 今後も関係事業者との連携強化や管理ノウハウの蓄積を図り、水平リサイクルを構築できる物件の拡大に取り組むとしている。