5年で1500億超を投資/AI・衛星活用で効率化/北九州市上下水道 | 建設通信新聞Digital

12月25日 木曜日

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5年で1500億超を投資/AI・衛星活用で効率化/北九州市上下水道

 北九州市上下水道局は、「中期経営計画2030素案」をまとめた。2026年度から30年度までの5年間に1500億円超を投資する。アセットマネジメント手法を活用し、AI(人工知能)による管路劣化診断や衛星画像を使った漏水調査など最新技術を導入した効率的な施設更新、ポンプ設備の高効率機器への更新などを進める。
 計画期間中の施設整備費の内訳は、水道事業約595億円、下水道事業約826億円、工業用水道事業など約89億円を見込む。高度経済成長期に整備した施設の更新時期の到来に加え、物価高騰や労務単価の上昇を受け、投資規模は前計画より400億円以上増大している。
 限られた財源で効率的に更新を進めるため、最新技術を積極的に導入する。水道管の劣化診断にはAIを活用し、破損確率の高い管路を優先的に更新(5年間で180㎞)するほか、衛星画像を用いた漏水調査やUAV(無人航空機)による下水道管点検を実施する。
 災害対応では、本城浄水場の耐震化や大規模な雨水貯留管の整備による浸水被害の最小化を図る。一方で、将来の需要減少を見据え、黒川配水池の廃止や皇后崎浄化センターの機能集約、汚水ポンプ場の統合(若松ポンプ場整備)など、ダウンサイジングによる経営基盤の強化を進める。
 環境負荷の低減に向け、太陽光や消化ガスなどの再生可能エネルギーの活用を推進し、水道事業では再エネ発電割合15%以上を目指す。下水汚泥の肥料利用といった資源の有効活用や、未利用地の売却・貸し付けにも注力する。