国土交通省は、直轄の維持修繕工事の積算について、実態を踏まえて運用を改善する。受発注者を対象とした調査により、変更契約で追加した小規模作業で積算と実費が乖離(かいり)する事例などを確認。現場実態に応じた運用や協議を促す受発注者向けの留意事項を文書にまとめ、2月末の積算基準の改定に併せて公表する。
18日に開いた「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」の維持管理部会で改善策を示した。
維持修繕工事の積算・精算などの実態を把握するため、直轄工事の受発注者を対象に調査を実施。現状の課題を▽小規模作業の積算▽小規模作業や点在作業を伴う工事の諸経費▽緊急作業の監理技術者の拘束▽連絡体制確保の経費の扱い--の4点に整理した。
小規模作業の積算については、発注者に向けて適切な変更積算をするための留意事項をまとめ、受発注者で共有し円滑な協議を促す。通年維持工事で1日未満の小規模作業を追加する際、積算額と実費との乖離が大きい事例が見られたため、監督職員に対し1日以上となる作業量を指示するよう要請する。落下物処理など突発的な施工は、当初契約の施工と区分けした変更積算の徹底を求める。
小規模作業や点在作業を伴う工事の諸経費に関しては、通年維持工事で機械回送費や交通規制の費用が増大する場合に、間接費で個別の積み上げを検討する。道路、河川の通年維持工事を対象とした諸経費の実態調査も2026年度以降に実施する。施工箇所が点在する工事の積算については、受注者アンケートを基に工事数量の目安を留意事項としてまとめる。
緊急作業での監理技術者の過度な現場立ち会いを解消するため、「監理技術者制度運用マニュアル」の要点を整理したリーフレットを作成し、現場立ち会いの要否の事例を示す。緊急作業時に発注者から連絡を受け付ける体制についても、監理技術者と現場代理人の複数人で担っているケースがほとんどだったことから、施工計画書などで発注者に報告すれば輪番で担当できるようにする。
連絡体制の確保では、緊急作業のため待機を指示しても作業が伴わない場合は契約変更しない事例があったため、監督職員の指示を前提に、待機開始から解除または片付けまでを対象に実績精算することを明確にする。
