国土交通省は、直轄土木工事で実施しているチルトローテータ搭載建機を使う試行工事の対象を拡大する。2025年度の試行工事で省人化や安全性向上といった効果を確認。今後は床掘工の対象を広げ、20t級のバックホーを使う比較的規模の大きい工事でも活用できるようにする。
チルトローテータは、バックホーのバケットを傾斜・回転させられる装置。掘削面に正対せずに細部まで刃先が届くため、建機の微細な移動を削減でき施工の効率化に寄与する。燃料消費量を抑えて建設現場の脱炭素化にもつながることから、国交省は導入拡大に力を入れている。
チルトローテータの効果検証のため、25年6月に直轄土木工事での試行工事の実施要領を作成。土工の掘削や床掘、埋め戻しなどを対象に施工者希望方式で実施している。
北海道開発局が発注した橋梁下部工事では、作業土工の床掘工でチルトローテータ搭載建機を活用。施工日数は当初想定より2日短い10日で済んだほか、作業を補助する手元作業員を置かずに施工ができ、省人化や効率化につながった。
工事を受注した砂子組へのヒアリングによると、少ない人員配置での施工に加え、建機との接触といった安全面のリスクを減らせたことに効果を実感。熟練オペレーターが活用することで工夫が生まれ効率化に寄与したといった声もあった。
試行工事を通じて受注者からより規模の大きい床掘工での活用を求める声があったため、試行対象の工種を拡大する。試行工事の対象はバックホーの機械規格が山積み0.13m3(平積み0.1m3)から同0.5m3(同0.4m3)としているが、作業土工の床掘工については、同0.8m3(同0.6m3)の比較的規模の大きいものも対象に加える。
試行工事の受注者には、アンケートやヒアリングを実施して効果を検証する。
