全国建設業協会(今井雅則会長)は13日、東京・大手町の経団連会館で開いた理事会で2026年度事業計画を決定した。政府による公共事業関係費の補正予算措置や当初予算の増額確保は行われたものの、資機材価格の高騰や人件費の上昇などで、公共投資の実質額は減少していると指摘。強靱な国土づくりや地方創生、高市内閣が掲げる「危機管理投資・成長投資による強い経済」の実現などに向け、公共事業予算の安定的・持続的な確保はもとより、実質投資額が減少しないレベルの予算増額の必要性を訴える。全建設立80周年に当たる28年度に、地域建設業の将来ビジョンを示す方針も盛り込んだ。
理事会後に開いた協議員会の冒頭、今井会長は「建設技能者の処遇改善は、地域建設業が担い手を確保し、地域の守り手として社会的使命を果たしていくための重要課題であり、設計労務単価の持続的な引き上げが技能者の賃金に適切に反映され、好循環が生まれるよう積極的な取り組みを展開していく。建設業は他産業に比べてまだまだ賃金が低く、賃上げの必要性には誰も異論はないだろうが、それができる環境づくりが重要になる」と強調した=写真。
26年度事業計画は、▽公共事業予算の安定的・持続的な確保とその円滑な施工▽公共工事等の適切な入札・契約▽労働環境の整備(賃上げ、働き方改革等)と人材確保▽生産性の向上▽経営の改善▽災害・除雪・防疫対応--などを重点事項に掲げた。
公共事業予算については、コスト上昇の影響が予算編成過程で適切に反映されるよう政府・与党に要望する。26年度を初年度とする第1次国土強靱化実施中期計画を巡っては、引き続き当初予算における別枠確保を求める。急増が見込まれる防衛関係施設の整備・維持管理への参画と円滑な施工のため、防衛施設強靱化推進協会と連携し、地方防衛局と都道府県建設業協会との意見交換の場を設ける。
入札契約関連では、ダンピング(過度な安値受注)を排除するため、最低制限価格制度・低入札価格調査制度が未設定または全国基準(公契連モデル)より低位にある自治体に対し、基準設定や引き上げを働き掛けるとともに、公契連モデル自体の上限枠の引き上げや計算式・率の見直しを要望する。民間工事についても、原価に満たない金額での契約や適正な工期を確保していない契約が行われないよう、実情把握や建設Gメンへの指導要請などを行う。
労働環境整備では、昨年12月に策定された労務費に関する基準に基づき、労務費や必要経費を明示した見積書の商習慣化による適正な労務費の確保、建設キャリアアップシステムレベル別年収の支払いなどを推進する。気象条件に大きく左右される現地屋外生産という建設業の性格を踏まえ、1年または半年単位の変形労働時間制による柔軟な働き方なども促す。
設立80周年の28年度には、地域建設業が将来にわたり、社会的使命を果たしていくための新たなビジョンを策定する。総合企画委員会の下に専門委員会を設置し、第一歩として「地域建設業将来展望(全建70周年展望)」のフォローアップを実施する。
