国土交通省は、直轄土木工事で3Dプリンターを適用する場合の留意事項をまとめた監督職員向けの参考資料案を作成した。受注者提案による適用を前提に出来形・品質確認や個別協議の考え方を整理。従来工法と比べ高コストな一方、省人化に寄与する場合もあるとし、設計変更に当たっては工事全体で必要性を考慮して受注者と認識を共有するよう求めた。
参考資料案は土木学会が2025年7月に策定した3Dプリンターによる埋設型枠を採用する際の技術指針を補完する目的で作成した。直轄土木工事で3Dプリンターの適用事例が増えていることから、発注者だけでなく受注者にも参考にしてもらい一層の活用を促す。
直轄土木工事で3Dプリンターを適用した事例は受注者の提案を発注者が承諾しているケースが大半で、契約変更した事例はほとんどない。ただ、3Dプリンターは型枠が不要で製造時間も短いため、高コストでも省人化や工程短縮につながる場合があるとし、契約変更に当たっては目的物だけでなく工事全体を踏まえ、その妥当性や必要性を受発注者で共有するよう要請した。
無筋コンクリートとして製造する構造物や部材、鉄筋コンクリート構造物の埋設型枠以外で3Dプリンターの適用が受注者から提案された場合、直轄土木工事での適用事例がないことから妥当性を十分に検討すべきとした。
3Dプリンターによる造形物の出来形確認の測定項目や規格値は、場所打ちコンクリートの基準に準拠することを基本とした。積層表面の計測位置について、幅や高さ、長さなど構造上の要求性能に影響する場合は凹部、内空幅などの確保が必要な場合は凸部に設定。表面の積層模様は出来栄え評価の対象外とした。
プリント材料とその原材料、積層プロセスの品質管理を求めた。直轄土木工事での適用実績がある3Dプリンターと工種、規模の場合、造形物が出来形を満たしていれば積層プロセスは適正と見なせるとした。
直轄土木工事で3Dプリンターを適用した12事例も収録。集水ますや重力式擁壁といった各事例の品質・出来形の確認方法、適用のメリット・デメリットを掲載した。
