村野藤吾記念会(古谷誠章代表)は、第35回村野藤吾賞に飯田善彦氏による「大熊町立学び舎ゆめの森」を選定した。選考委員からは「原発事故による全町避難から少しずつ町民が戻りつつある中、学校づくりをまち復興の中心に据えて計画し、建築自体が住民を呼び戻す原動力となっている。そのことが、建築の力を再認識させる」などと高い評価を受けた。
「大熊町立学び舎ゆめの森」は、認定こども園と義務教育学校を一体化した施設で、0歳から15歳までの子どもたちが共に遊び、学び合う場だ。福島県大熊町は、東日本大震災に伴う原発事故で全町避難となったが、2019年に大川原地区の避難指示が解除されたことを受け、復興のシンボルとして計画された。
二等辺三角形グリッドの鉄骨造の躯体と、本棚や階段席などの機能を備えた木製什器を組み合わせ、吹き抜けの「図書ひろば」を囲んで多様な機能が配されている。子どもに程よい小さな空間を集めた空間構成なども評価された。
規模はS造2階建て延べ7732㎡。設計は、飯田善彦+渡邉文隆/アーキシップスタジオ+鈴木弘二/鈴木弘人設計事務所、施工は大成建設が担当した。所在地は福島県大熊町大川原南平2019-1。
村野藤吾賞は建築界に感銘を与えた建築作品を設計した建築家を毎年1人選んで与える賞で、1987年創設。今回の選考委員は古谷誠章、栗生明、竹原義二、田名網雅人、磯達雄の5氏が務めた。授賞式・受賞記念パーティーは5月15日に東京都港区の国際文化会館で開催予定だ。
