国土交通省は、地方自治体のインフラメンテナンスへの新技術導入を後押しするハンズオン支援事業の成果をまとめた。橋梁や舗装の点検、除雪作業などの課題解決に向けて、新技術導入や講習会などを専門家が支援し、業務の負担軽減や職員の知見習得につなげた。支援結果を踏まえて、包括的民間委託を検討する動きも出始めている。
同事業は、人員や予算の制約でインフラメンテナンスに課題を抱える地方自治体の新技術導入を後押しする取り組み。モデル自治体13団体を2023年10月に選定し、専門家の支援を通じて新技術導入や技術者育成の体制構築を進めてきた。
モデル自治体の一つである青森県黒石市は、除雪事業者への連絡や日報管理、出動判断の効率化に向けた支援を希望。除雪関連業務の経験を持つ専門家の助言を踏まえ、GPS(全地球測位システム)除雪管理システムと、除雪業者との連絡調整システムを導入した。車両管理の自動化や除雪業者との一斉連絡体制の構築を実現し、職員の負担軽減につながった。
静岡市は橋梁の直営点検の効率化に向けて、専門家の助言に基づきタブレットを活用した点検システムを本格導入した。専門家らが職員向けに橋梁点検時の留意点を解説する講習会も実施し、スキルアップ体制の構築に道筋を付けた。
支援を踏まえ、26年度以降に包括的民間委託の検討に着手するモデル自治体もある。
愛知県豊川市は、既に導入しているAI(人工知能)を活用した舗装異常検知技術の妥当性を確認し、包括契約締結の課題を抽出。26年度以降は包括的民間委託など、AIの検知データを活用した効率的な点検・修繕手法を検討していく。
大分県杵築市は、土木技術職員の減少を受けて、支援を通じた持続的な維持管理体制の構築を模索。専門家による包括的民間委託の事例や補助制度の紹介、外部講師との勉強会で職員の知見を高めた。検討成果を踏まえながら、26年度以降も包括的民間委託の実施に向けた検討や準備を進める方針だ。
地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)の一環で、自治体技術系職員の支援に焦点を当てた「人の群マネ」事例集に専門家派遣による支援事例を収録する。人の群マネの考え方や支援メニューなども事例集にまとめ、26年度に公表する。
