四国地方整備局長に就任した奥田晃久氏は23日、高松市のサンポート合同庁舎で会見を開いた。最大の課題は建設業の担い手不足とし、「魅力ある仕事にしていくことが大事だ。さらにそれを発信していく。この両輪で取り組む」と抱負を語った。本省時代には働き方改革の制度設計に尽力してきた。「今度はこれらを四国の現場でどう展開していくか。業界とコミュニケーションを取っていく」との姿勢を強調した。
因島で幼少期を過ごし、岡山で高校生活を送った。四国勤務は初めてだが“ふるさと”に帰ってきた感覚という。「因島大橋や瀬戸大橋の完成と効果を目の当たりにして、インフラの重要性を痛感した」と土木を志す一つのきっかけになったと振り返る。
四国の印象を“ユニーク”と表現する。「地理、文化、歴史、食などこれだけ多様性に富んだ地域は珍しい」と絶賛する。一方、人口減少や高齢化など日本の課題が凝縮されている地域であることも指摘。「良質なインフラをスピード感を持って整備することで、地域に安全と安心を届けたい」と抱負を語る。
人事異動の内示を受けた際、真っ先に頭をよぎったのが南海トラフ地震だった。「四国8の字ネットワークや耐震補強を着実に進める」と強調する。「人は、やってきたこと以上のことはできない。ならば、やってきたことをどれだけ増やすかだ。想像力で起こり得るシナリオを少しでも多く考えるしかない」という。
「週休2日は、ある程度浸透した。次は多様な働き方にチャレンジしたい」と意気込む。夏季休工や変形時間労働制を例に挙げ、「課題があるのは承知だ。しかし、試して課題を見つけなければ先に進まない」とし、地域の気候に合わせた魅力ある働き方を追求する。
GX(グリーントランスフォーメーション)にも精通している。CO2を吸収するコンクリートやグリーン鉄を公共工事で積極的に活用できる制度設計にも汗を流した。「道路や港湾でしっかり引き継いでいく」という。河川畑を長く歩み、流域治水にも携わってきた。四国の河川は多様であり、人との距離が近いという印象を持つ。 * *
1996年3月京大大学院工学研究科環境地球工学専攻修了後、同年4月建設省(現国交省)入省。近畿整備局企画部長、水管理・国土保全局治水課長などを歴任。海が見える環境で育ってきただけに「瀬戸内海が望める環境で仕事ができることに喜びを覚える」と心躍らせる。広島県出身、54歳。
