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インタビュー

新理事長インタビュー・水源地環境センター 藤巻浩之氏

掲載日 | 2026/04/27 2面

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【水源地から国土形成貢献】
 1日付で水源地環境センターの新理事長に藤巻浩之氏が就任した。「水源地域の活性化」「適切なダムの貯水池管理・流水管理」「豊かな水源地の環境づくり」の3点に力を入れる方針で、その成果を行政や民間事業者、水源地の自治体と共有していく。「水源地や水環境について、産官学の架け橋となり相乗効果を高められるシンクタンクを目指したい」と話す藤巻氏に今後の方針を聞いた。

  --就任の抱負を
 「優れた調査を行い研究成果を出していくことで、持続可能で多様性に富んだ国土の形成に水源地サイドから積極的に貢献する。一般財団法人の社会的な使命として公益的な事業を続けていくが、法人を経営する上で、自治体からの委託業務など収益事業も強化する必要がある。ダムが治水や水利用などの観点で与える効果や環境アセスメントに関する調査が大きな柱だが、ダム湖の水質調査や堆砂対策に関する調査研究も進めていく」
  --注力したい取り組みは
 「水源地を活性化するには、水源地域とダムによって恩恵を受ける下流地域のつながりをつくっていかなければならない。私が関東地方整備局長を務めた時には広域自治体連携ミーティングを始めた。首長が集まり、水源地の観光振興や大規模災害時の対応について協議した。こうした実のあるウィンウィンの関係の構築を全国に広げていきたい」
 「貯水池・流水の管理に関し、ダムへのアクセスの途絶や電力の喪失などフェールセーフ対策や、ベテラン職員のノウハウ伝承が課題となっている。AI(人工知能)などの新技術導入を支援していく。省人化を図り、本当に人がやらなくてはならない業務に集中する体制をつくることが大事だ」
 「水源地の環境については、河川水辺の国勢調査によると、全国の1級河川で『日本産野生生物目録』など掲載種のうち、両生類は約半数、植物は約4割の種数が確認された。ダム湖でも生物の新たなすみかとなっている可能性がある。自治体と連携し、ダムでの自然環境の創造を促進させるとともに特定外来生物の問題に取り組まなければならない」
  --国が進める流域総合水管理で果たすダムの役割は
 「流域総合水管理で取り組む治水、環境保全、水利用はややもすればバッティングする可能性はある。この3点をうまく調整して相乗効果を高めるためには、ダムを基幹的な施設として賢く使う必要がある。増水が予測されたときの事前放流や適切な電力供給に向けた放流などダム運用の高度化を進めていかなくてはならない」
  --センターの運営はどのように進めるか
 「センターがどのような業務を行っているかを多くの人に知ってもらうよう営業や広報を強化していく。センターがこれまで積み重ねた知見を伝承し、コンサルタントとの連携も深めていきたい」
*      *
 (ふじまき・ひろゆき)1991年3月京大大学院工学研究科修了後、同年4月建設省(現国交省)入省。水管理・国土保全局治水課長、九州地方整備局長、関東地方整備局長、水管理・国土保全局長などを歴任し、25年7月に退官。水源地環境センター審議役を経て現職。神奈川県出身、60歳。
◆記者の目
 今までの経歴の中でもダムに関わるエピソードが印象深いという。国交省治水課長時代には東日本台風による洪水が発生。試験湛水を始めたばかりの八ッ場ダムが水をため込んで首都圏への被害を防いだ。改めてダムが果たす大きな役割を実感した。現在、全国の各水系で気候変動の影響を考慮して河川整備基本方針の見直しを進めているが、「(洪水調節流量を確保する観点で)ダムに与えられた使命は大きくなっている」と強調する。これからの時代におけるダムの重要性が水源地環境センターの取り組みを通じて多くの人に認識されるよう今後の手腕が期待される。

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