日本建設業連合会(押味至一会長)が、国土交通省各地方整備局などと共催する2026年度「公共工事の諸課題に関する意見交換会」が、12日の関東地区を皮切りにスタートした=写真。近年の労務・資材価格の上昇などで、公共事業関係予算が実質目減りしているという課題を受発注者双方で共有。防災・減災、国土強靱化は、政府が推進する危機管理・成長投資の重要施策でもあるとの認識の下、価格高騰の影響を踏まえて予算規模拡大に努める。時間外労働規制の順守徹底や年々厳しさを増す夏季の猛暑への対応なども加速させる。
開会に当たり、関東地方整備局の橋本雅道局長は「担い手確保の観点からも、われわれの仕事が、国民の役に立ち、生活を豊かにし、安全・安心を高めているということを積極的に発信していかなければならない。産官学を挙げてアピールし、業界の魅力を高め、多くの人が関心を持って業界に来てくれるように努力していく必要がある。業界がより良くなるための取り組みを一緒に考えていきたい」とあいさつした。
続いて、日建連の蓮輪賢治副会長・土木本部長は「日建連では、目下の最重要課題である将来の担い手確保のため、働き方改革と生産性向上、技能者の処遇改善などに全力で取り組んできたが、今後もこれらをより一層進めていく必要がある。今年は、時間外労働の上限規制適用が始まって2年が経過し、現場における課題も顕在化してきた。また、昨夏が記録的猛暑となったことを受け、今夏における猛暑対策の具体化も含め、働き方改革をさらに進化させる上でも大変重要な転換点となる」と述べた。
議事では日建連側の提案テーマに沿って、各発注機関が取り組み内容などを説明した。関東整備局は、社会資本整備を戦略的かつ計画的に展開していくため、近年の労務費や資材価格上昇の影響も踏まえ、必要な公共事業予算の安定的・持続的な確保に努めると表明。設計成果の精度向上や計画的な関係機関協議、必要な工事予算確保などによって、契約工事の数量減や打ち切りを回避する姿勢を示した上で、やむを得ない場合は工事目的物完成のための随意契約の活用も検討するとした。
加えて、設計図書の品質向上を巡っては、橋梁の詳細設計時に、設計条件や関係機関協議の調整状況、配慮事項をまとめた「工事発注時チェックシート」を作成する取り組みを試行していると説明。今後、試行対象業務を増やす考えも示した。
時間外労働の上限規制順守に向けた取り組みでは、受注者アンケートの結果を精査し、3月に「土木工事電子書類スリム化ガイド」を更新したことなどを紹介した。
工事積算に使用する資材価格については、物価資料を基本としつつ、最新の市場、コスト、需給動向の適切な把握に努め、必要に応じて見積もりを活用するなどして予定価格に反映しているという。
このほか、i-Construction2.0による生産性向上に向け、26年度は、猛暑日を含む通年で作業を行う一部工事において、省力化・省人化につながる自動・遠隔化施工に対する技術提案を求める「技術提案評価型SI型工事」の手続きを進めている。時間外労働規制や猛暑への対応では、受注者との協議の上、必要に応じて工程や工期の変更を行うことも重要との認識を示した。
