長年にわたり「生保レディー」として親しまれてきた保険営業員の愛称が「生保ナビゲーター ソナエルジュ」に変更された。ジェンダーの固定化につながる呼び名を正そうと、生命保険協会が一般公募して決めた◆社会の思潮とともに変化する言葉は当世の「正しさ」を形づくっていく。そして置き換えられた言葉は常に、過去をたどる道しるべになる◆『記者ハンドブック』(共同通信社)を引くと、かつて使われた建設業にまつわる用語が禁忌語として記されている。片隅にある残滓(ざんし)のような言葉が、当時の社会構造と彼らに向けられたまなざしを浮かび上がらせる◆コロナ禍を経て、建設業で働く人々が“エッセンシャルワーカー”として認識された。ただ刷新が忘却となってしまわぬよう、目を凝らしたい。
