高砂熱学工業と三菱商事が出資するMTグリーンエネルギー(東京都千代田区)は、北海道千歳市のキリンビール北海道千歳工場で、製造から使用までにCO2を排出しないグリーン水素の実証事業を始める。6日に現地で実証設備の開所記念式典を開いた。10年間にわたってグリーン水素をビール製造工程の燃料に活用し、温室効果ガス(GHG)排出量の削減効果や技術的課題を検証する。グリーン水素を製造する水電解装置に高砂熱学工業製の「Hydro Creator」を採用している。
ビール製造は、麦汁煮沸などの加温工程で大量の蒸気を使用する。蒸気を製造するボイラー用燃料に都市ガスを利用しており、燃料の一部に再生可能エネルギー由来の電力と水電解装置で製造したグリーン水素を活用する実証を行う。エネルギー転換により、年間で最大約23%の熱需要を水素で代替し、GHG排出量削減効果は年約464tを見込む。
実証設備は、太陽光発電設備(0.2メガワット)、水素製造設備(1時間当たり100ノルマルm3の水電解装置2台など)、水素ボイラー(1時間当たり2t×1台)で構成する。工場敷地内のA地区とC地区に設置し、水素を送る導管で両地区を接続する。高砂熱学工業がHydro Creatorのうち、100ノルマルm3の水素製造能力を持つ装置を納入するのは初めて。
設備が6月末に完成した。開所記念式典には、小島和人高砂熱学工業社長、杉本直樹MTグリーンエネルギー職務執行者(三菱商事代表者)、岡藤裕治三菱商事常務、宮崎知宏キリンビール北海道千歳工場長、横田隆一市長らが出席した。
小島社長は、「国内で初めてビール製造工程にグリーン水素を活用する先進的な実証事業に参画できたことを大変うれしく思う。当社は『環境クリエイター』として、今後の運用にも責任をもって取り組むとともに、『高砂熱学があると地球が良くなる』と言われる存在を目指し、本実証で得られた知見を生かしながら、社会課題の解決と未来への挑戦を続けていく」とコメントした。
