国土交通省が民間発注者を対象に実施した調査によると、2024年12月以降に予定していた工事について、物価高などを理由に発注できなかった案件があったと回答した企業は約3割に上った。規模縮小や延期をしたとの回答も含めると全体の5割を占めた。発注見送りとなった工事は建築工事が特に多い。建設会社の早期確保や見積額の引き上げといった対策に乗り出す企業もいた。
調査は24年12月以降の民間工事の実態把握を目的に実施。26年1月時点の状況について、電気、鉄道、住宅、不動産業など55社から有効回答を集めた。
調査期間中に予定していた工事について、「発注できなかったり、見送ったりした工事がある」と回答した企業は29.1%、「一部で規模縮小・延期をした」は21.8%だった。回答企業の業種別の内訳は、不動産、住宅、医療・福祉、電気、ガス・熱供給など。資本金別に見ると、「1000万円未満」から「100億円以上」のほぼ全ての階層に回答企業が存在した。
発注できなかった工事の種別を複数回答で聞くと、建築が86.4%と最も多い。電気・設備が59.1%、土木が40.9%、維持・修繕が27.3%、舗装が9.1%と続く。
また、前年と比べて発注できなかった工事が「増えた」とする回答は54.5%、「変わらない」は45.5%だった。
発注できなかった理由については「物価・人件費高騰や資材調達難によるコスト増を許容できなかった」との回答が最も多い。このほか、「受注者側の技能者・作業員の不足」や「希望する工期設定が困難だった」などの回答も一定数あった。
発注の見送りを防ぐための対策は、「早めに建設会社をおさえる」が最も多く52.7%に上った。「協力会社を増やした」との回答は38.2%、「建設コストの見積もりを上げた」企業も27.3%いた。
