【今日から新社名に/『人と技術』で持続的成長】
三井住友建設は、1日付で社名を「アルソシア建設」に変更する。2003年4月の三井建設と住友建設の合併以来、23年半続いた社名に幕を下ろし、インフロニア・ホールディングス(HD)のグループ会社として新たな一歩を踏み出す。柴田敏雄社長は「今まで培ってきた実績と信頼、そして『人と技術』という強みは何も変わらない」と語る。同社は持続的な成長をいかに実現していくのか。柴田社長に今後の展望を聞いた。
新社名「アルソシア」は、全社員へのアンケートや投票を経て決定した。「自分たちの伝統と技術と誇りを社名に込めたい」という社員の思いを背景に、ラテン語の「アルス(技術)」と「ソシア(社会・仲間・共生)」を融合させた造語だ。
柴田社長は「DNAとは何かを問い直した結果、人と技術という原点に帰結した」と明かす。「『三井住友のDNA』という表現は今後は使わない」と線を引く一方、「長年培ってきた実績や信頼、人と技術は紛れもない事実であり、そのまま新しい会社に引き継いでいく」と強調する。
社名変更に伴い、企業理念体系も一新する。パーパスには「人と技術の力で、世界中に豊かな景色を。」を掲げ、タグラインを「あしたの景色を創る」とした。「構造物やインフラを提供し続けることとは、将来、皆さんに安心して豊かな生活を送ってもらえる景色をつくること。そういう会社なのだ」と、タグラインに込めた思いを語る。
バリューには、誠実さを第一とする「Have Integrity」、技術を磨く「Master Yourself」、境界を超える「Cross Borders」、変革に挑む「Lead the Way」の四つを設定。「誠実さと品質を守りながら、境界を超えて新たな道を切り開いていく」と決意を示す。
新たな成長の鍵となるのが、インフロニアグループでのシナジー創出だ。柴田社長は、“総合インフラサービス企業”として「脱請負と呼ばれる新領域へも積極的に参画していく」と意欲を示す。
市場の拡大が見込まれるウオーターPPPやアリーナ開発など、事業の上流から下流まで幅広く関わるビジネスモデルの構築を目指す。兄弟会社である前田建設工業へは特許技術「スクライム工法」を供与。「2社で大型超高層住宅などのシェアを席巻したい」と力を込める。
こうした新戦略を支えるため、1日付で「事業本部制」を導入することも明らかにした。「従来の支店独立採算制をベースとしつつ、本社側で全国のリソースをグリップし、全体最適と採算性の向上を追求する」と、組織刷新の狙いを語る。
視線は海外市場の拡大にも向けられている。特に「日本品質を求める日系顧客から強い引き合いがある」というインドでは、約600人の現地スタッフを擁する。「インドで構築した人材やノウハウをハブとして活用し、将来的にはさらなるアフリカ市場への展開も見据えている」と未来を描く。
インフロニアグループへの参入を機に、柴田社長は全国の支店を回り、役職員とのコミュニケーションを密にしてきたという。グループ参入後に自身が強く感じたのは「スピード感の違い」だ。「高い目標を設定し、ダメなら走りながら修正すればいいという風土に刺激を受けている」と率直に話す。
10月からは、主に採用ブランディングの強化を目的としたデジタル動画広告も開始する予定だ。新社名を決めた2月以降、さまざまな準備や作業に追われたものの、いよいよ社名変更の日を迎えた。
柴田社長は「われわれの使命は、何気ないインフラをしっかりと支えていくことだ」と語る。
社名は変わっても、社会を支える建設会社としての役割は変わらない――。その使命を胸に、次のステージへ歩みを進めていく。
