【十分な公共事業費「当初で確保」/切れ目ない施工へ平準化】
全国建設業協会(今井雅則会長)と47都道府県建設業協会が、国土交通省などと業界を取り巻く諸課題について意見を交わす2026年度の地域懇談会・地方ブロック会議が、2日の中国地区からスタートした。業界側は、補正予算依存からの脱却姿勢が鮮明に示された27年度予算概算要求への期待を表明した上で、十分な公共事業費を当初予算で安定的・継続的に確保するよう要望。併せて、ゼロ国債の活用などで事業執行の平準化を図り、年度当初から切れ目なく事業を実施できる環境整備を求めた。
26年度の皮切りとなる建設業協会中国ブロック協議会は、岡山市のホテルグランヴィア岡山で開かれ、国交本省や中国地方整備局、管内県・政令市、各建協の幹部らが一堂に会した=写真。
開会に当たり、協議会会長を務める中村高志山口建協会長は「これまで以上の予算規模を確保していただき、防災・減災、国土強靱化、さらにはインフラ老朽化対策を含め、中長期にわたる社会資本整備の推進をお願いしたい。われわれ建設業は、社会資本整備の担い手、また、災害発生時には最前線に立つ地域の守り手として、これからも地域を支える社会的使命を果たしていく覚悟だ」と強調した。
続いて、開催県を代表して荒木雷太岡山建協会長は「担い手3法の改正をバネに、持続可能な業界を実現するため、官民を挙げた一層の取り組みが必要となる」と述べた。
国交省の佐藤弘之官房審議官(不動産・建設経済)は「労務費確保の必要性や今後の資材価格高騰なども踏まえ、必要な予算を確保できるよう、しっかり対応していく。業界としても、十分な施工余力があることを各地域から発信してもらいたい。また、27年度当初の工事稼働数を確保するため、債務負担行為を活用した施工時期の平準化にも取り組む」と話した。
和田卓官房審議官(技術)は「建設産業の持続的な発展のためには、担い手確保に加え、現場で働く方々の健康と安全を守ることが何よりも重要だ。猛暑の時間帯を考慮した柔軟な施工の推進など、現場の実情を踏まえた取り組みを進めていく」とした。
全建の今井会長は「地域の基幹産業、地域の守り手として重要な役割を担う建設業を将来にわたって持続させていくため、全建としても担い手の確保や処遇改善、働き方改革の推進、生産性向上などの諸課題に主体的に取り組み、若い世代から選ばれ、働く人々からも魅力と誇りを感じてもらえる産業の実現を目指していく」と強調した。
会議では、各県協会がそれぞれの要望事項を説明した。岡山建協は、低入札調査基準価格・最低制限価格付近での落札が常態化し、さらに物価高に伴う実質事業量の減少で受注競争が激化する中、必要経費や適正利潤の確保が一段と困難になり、適正な下請け代金や技能者賃金の支払いにも支障を来すことが懸念されると指摘。設計価格は適切な積算に基づき算出された実勢価格を反映した適正な価格との考え方を踏まえ、設計価格相当額での受注が可能となるよう、予定価格の設定方法を含めた入札制度の見直しを呼び掛けた。
鳥取建協は、線状降水帯や大型台風などの異常気象が頻発する中、砂防工事や河川内工事などでは、災害復旧工事と同様のリスクを伴いながら施工している状況があると実態を説明。災害復旧以外の工事についても、不可抗力による損害に対する受注者1%負担の撤廃を求めた。単品スライド条項については、品目ごとの1%の積み重ねが大きな負担になっていると訴え、全ての建設資材の変動分の総額でスライド対象になるかを判断し、受注者負担が全体で請負代金の1%にとどまるような柔軟な対応を提案した。
広島建協は、自治体におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)活用可能工事の発注促進と、建設市場整備推進事業費補助金など投資支援制度の拡充を要望した。
