日本埋立浚渫協会(清水琢三会長)は、国土交通省港湾局が2025年3月に本格運用を始めた「サイバーポート」が、港湾建設工事の業務効率化にも大いに役立つとし、施設情報や自然環境情報などの機能拡張を働き掛ける。埋浚協が現在、各地方整備局などと順次開催している26年度意見交換会で、新規要望事項の一つに位置付けた。
サイバーポートは、港湾を取り巻くさまざまな情報が有機的につながる事業環境を実現するためのデータプラットフォームとなる。「民間事業者間の港湾物流手続き(港湾物流分野)」「港湾管理者の行政手続きや調査・統計業務(港湾管理分野)」「港湾の計画から維持管理までのインフラ情報(港湾インフラ分野)」を電子化し、これらを連携して一体的に取り扱う。
埋浚協によると、設計・計画部門(バックオフィス)で活用が先行しているものの、施工部門(建設現場)での利用率は極めて低く、全体としての普及は初期段階にとどまっているという。
一方、サイバーポートで提供される情報は、施工計画における土質モデルの活用や、港湾施設の新設・補強、被災時の復旧断面の検討などにおいて、業務効率化の効果が大きい。実際、26年熊本地震で被災した八代港の復旧工事でも「非常に重宝している」(埋浚協幹部)という。
現状のサイバーポートは、図面情報は充実しているものの、自然環境情報は土質調査データに限られている。埋浚協は、さらなる利便性の向上に向け、埋設物情報、設計条件、更新履歴など施設情報の拡充や潮位、波浪、水深、風速といった自然環境情報の追加を提案する。システム動作速度の改善やAI(人工知能)を使った情報検索システムの導入なども呼び掛ける。
