建設業政策の新たなビジョンを検討する国土交通省の有識者検討会は、建設産業の将来像を見据えた各論の議論に入った。処遇改善や柔軟な働き方を実現し選ばれる産業となるために必要な取り組みとして、国交省は「月給制への転換」を提示。施策の方向性については、多能工化や省人化といった生産性向上の推進に加え、建設企業の労務管理の支援などを挙げた。
「持続的な成長産業としての建設業のあり方に関する検討会」の第2回会合を13日に開いた。須藤明夫不動産・建設経済局長は開会に当たり「建設業が選ばれる産業となるためには一層の処遇改善、あらゆる人材が活躍できる制度や環境の整備、人材育成の取り組みの強化が求められる」と述べ、業界を挙げた検討の必要性を訴えた=写真。
今回から第4回会合まで建設産業が目指すべき将来像と、その実現に必要な施策を議論する。同日の会合では「人を大事にする産業」をテーマに、処遇改善や柔軟な働き方、人材育成に関する施策の方向性について国交省が論点を示した。
論点では建設産業が労働市場で選ばれるため、サプライチェーン全体で人材を大事にすべきと指摘。元請企業による技能者育成への関与、専門工事企業による積極的な社員化に加え、発注者も技能者の確保・育成に関心を持つことが必要とした。
処遇改善については、専門工事業を中心に日給制の慣行が根強く残ることから「月給制への転換を強力に推進すべき」と提起。建設企業の経営の安定化が実現の鍵になるとし、多能工化や省人化、オフサイト化、部材の標準化・規格化など生産性向上の取り組みが重要とした。発注者による施工時期の平準化、支払い条件の改善も必要とした。
月給制の導入でネックとなり得る企業の労務管理を支援するため、導入初期や移行期間のサポートも重要とした。また、建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用徹底に向け、制度の標準としての位置付けやリーダー設置の取り組み強化も提案した。
働き方を巡っては、一律ではない多様な働き方の実現を重要視。多様な人材を活用するため、現場慣行の見直しによる就業時間の柔軟化や短時間勤務の容認をポイントに挙げた。猛暑への対応では、作業時間の柔軟な設定や炎天下を避けるサテライト化などの環境整備が重要とした。
委員からは月給制導入の課題として仕事量の繁閑差を挙げる意見が出た。人材の確保・育成を企業の成長として捉えることが重要とする意見もあった。
