【公共予算の確保確実に/熊本早期復旧でも平準化】
九州・沖縄の各県建設業協会で構成する九州建設業協会(会長・前川浩志熊本建協会長)は15日、熊本市のホテル日航熊本で2026年度定例懇談会を開き、国土交通省などと意見を交わした=写真。業界側は、来年4月からの食料品の消費減税などのあおりを受けない公共事業予算の確実な確保を要望。26年熊本地震からの早期復旧・復興に向けた発注時期の平準化や適切な工期設定も呼び掛けた。
開会に当たり前川会長は、26年熊本地震からの復旧・復興に向けた建設業界の活動などに触れ、「地域の守り手であるわれわれでなんとかしなければならないという、会員一人ひとりのシビックプライドを大変うれしく、そして心強く感じている。これから本格的な災害復旧工事が始まるが、一日も早い創造的復興に向けて会員一丸となって頑張っていく」と強調した。
また、「少子高齢化で人口減少が続く中、建設業がインフラ整備だけではなく、災害から地域を守る公益的機能を果たし続けるためには、十分な公共事業費の安定的・持続的確保の下、適正な利潤が確保され、若者に持続可能な産業だと認識してもらう必要がある」と述べた。
来賓として出席した木村敬熊本県知事は「発災直後から昼夜を問わず、復旧・復興に尽力する建設業関係の皆さまの献身的な姿は、県民に大きな安心感を与え、復興への希望の光となっている。新たな創造的復興を成し遂げるためには、現場の最前線で社会基盤を守り、未来へとつなぐ資産を創造する皆さまの力が必要不可欠だ。県としても、将来にわたって持続的な建設産業となるよう、働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、そして若者が夢を持って入職できる環境づくりに全力で取り組む」と表明した。
公共事業予算を巡り、業界側は資材価格や物流費、人件費の高騰を受けた建設工事費デフレーターの上昇によって、実質的な事業量は件数を含めて減少していると窮状を訴えた。その上で、物価高騰分を含めた前年度を大幅に上回る予算の確保、強い経済を実現する総合経済対策や責任ある積極財政による消費減税の影響を受けない公共事業予算の別枠確保などを求めた。
熊本地震の復旧・復興に関しては、今後多くの工事発注が見込まれ、これらが短期間に集中した場合、技術者や資機材などの不足により、入札の不調・不落の増加が懸念されると指摘。復旧工事を円滑かつ着実に執行するため、県・市町村と連携した上での発注時期の平準化や適切な工期設定など、受注状況に十分配慮した県土全体での計画的な発注を要請した。
また、改正品確法で受注者の努力義務とされた、災害応急復旧対策工事などの従事者に対する補償や第三者に損害を与えた場合に賠償する保険について、現状は協会や企業ごとに民間保険への加入が必要になっていると説明。公的な上乗せ労災保険に当該補償を加えるなど、加入しやすい環境の構築を提案した。
このほか、資材高騰への対応を巡り、単品スライド条項の受注者1%負担ルールの緩和・見直し、複数品目の価格上昇を合算して判定・算定できる仕組みの導入、ナフサ由来資材にとどまらない設計変更での価格転嫁なども求めた。
