【施工可能期間を有効活用/総合的に公共事業評価】
東北建設業協会連合会(千葉嘉春会長)は20日、仙台市のホテルメトロポリタン仙台で、国土交通省などと意見を交わす2026年度東北建設業協会ブロック会議を開いた=写真。業界側は、国土強靱化の着実な推進や老朽インフラの維持管理・更新、計画的な社会資本整備に向け、これまでを上回る必要かつ十分な予算の安定的・継続的確保を要望。積雪寒冷地である東北の限られた施工可能期間を有効活用するため、ゼロ国債などを適切に使った切れ目のない事業執行も働き掛けた。
開会に当たり、千葉会長は「物価上昇によって公共事業の実質的な事業量が目減りすれば、インフラの整備・維持更新だけでなく、地域建設業の経営、災害対応力にも影響しかねない。27年度予算においては、必要十分な公共事業費を当初予算で確保するとともに、東北特有の環境を踏まえた早期発注、施工時期の平準化をお願いしたい。われわれ地域建設業も技術力の向上と担い手の確保に努め、インフラ整備・維持管理、災害対応を通じて、地域の安全・安心を支える地域の守り手としての役割を果たしていく」と強調した。
会議で業界側は、十分な予算確保に加え、技術職員や財源が不足している地方自治体に対する国の技術的・財政的支援の強化、費用便益分析(B/C)に過度に依存せず、災害時のリダンダンシーや国民の生命・財産保護、地域経済への波及効果などを総合的に判断する公共事業評価も求めた。
また、これまでの補正予算による国土強靱化事業などは、年度内の早期発注・契約や翌年度の早期着工を可能とし、施工可能期間の確保や施工時期の平準化に寄与してきたと言及。今後、国土強靱化などの継続的施策を当初予算で確保していくことが基本となる中、発注・契約が遅れれば、東北地方では施工時期が冬季に重なり、工期の確保や施工効率に影響することが懸念されるほか、発注時期の集中は技術者・技能者や建設機械の稼働にも影響し、施工平準化を阻害する要因になると指摘した。
その上で、緊急性の高い事業への補正予算措置を含め、債務負担行為やゼロ国債などを活用し、年度内契約と翌年度早期着工を可能とするなど、東北の施工条件に即した切れ目のない事業執行を呼び掛けた。
このほか、公共工事設計労務単価の全国統一化、技術者給与の明確な積算と計上、総合評価落札方式における賃上げ加点措置の廃止を求めた。スライド条項の受注者1%負担ルールの撤廃、気候変動を踏まえた歩掛かりや積算方法の見直し、安定した除雪体制を維持するための補償の在り方検討なども要望している。土木・建築系の工業高校の維持・充実や、普通科入学後でもウェブ授業などで土木・建築学科の履修が可能な総合学科制の導入など、より多くの学生が建設業を志せる教育体制も提案した。
