24年冬にも中間まとめ/広域地方計画で素案作成/中国整備局 | 建設通信新聞Digital

5月19日 日曜日

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24年冬にも中間まとめ/広域地方計画で素案作成/中国整備局

 中国地方整備局は、中国圏広域地方計画の中間とりまとめ(素案)を作成した。昨年7月に示していた将来像や目標などの基本的な考え方を踏まえ、主要な施策として、九つの広域連携プロジェクト、22の施策群を示している。26日には、広島市の同局建政部庁舎で開かれた同計画学識者等会議(座長・渡邉一成福山市立大学大学院都市経営学研究科教授)で素案の内容について議論した=写真。中崎剛局長は「今冬にも中間とりまとめを公表したい」との意向を示した。 基本的な考え方では、計画の理念として「暮らし」「産業・経済」「安全・安心」「グリーン国土」のテーマを示し、▽誰もが自らの意思でライフスタイルを選択でき、生き生きと暮らし続けることができる中国圏▽産業集積や地域資源を生かし、官民連携によって持続的に成長する中国圏▽激甚化する災害から命と暮らしを守り、誰もが安全で安心に住み続けることができる中国圏▽美しく豊かな自然環境と多様な歴史・文化を次世代に引き継ぐグリーンな中国圏--の将来像を掲げた。これを踏まえ、デジタル技術の活用やカーボンニュートラルの実現、中山間地域や島しょ部の地域産業振興、地域経済活性化、インフラ老朽化対策推進、自然環境保全・再生と脱炭素社会の実現に向けた地域づくり推進、歴史・文化の次世代への継承などの目標を掲げていた。
 同計画(素案)では、基本的な考え方をベースに、中国圏における主要な施設(広域連携プロジェクト)として、九つの広域連携プロジェクト、22の施策群を盛り込んだ。
 学識者等会議で中崎剛局長は、「今年の冬には中間とりまとめを公表するスケジュールを念頭に置いている。理念や基本戦略、将来像に加え、地域生活圏についても中国圏でオリジナリティーをもって議論していきたい」と述べ、広域連携プロジェクトを含めたより良い広域地方計画の策定に対する協力を求めた。
 素案に盛り込んだ広域連携プロジェクト、施策群は次のとおり。
 〈中国圏の地域生活圏形成〉
 ▽魅力とつながりによる持続可能な圏域の形成▽魅力的な拠点都市機能強化と中小都市の振興▽中山間地域、島しょ部における持続可能な生活サービス機能の確保▽多様な関係人口の拡大・深化による活躍人口の創出
 〈「全国的な回廊ネットワーク」を支える重層的な交通ネットワーク形成〉
 ▽海外含め圏域内外で対流促進させる重層的なネットワークの形成▽関係者の連携・協働(共創)や交通DX(デジタルトランスフォーメーション)・GX(グリーントランスフォーメーション)による地域公共交通の「リ・デザイン(再構築)」▽東アジアや欧米各国をはじめとする海外との国際交流の推進
 〈「ものづくり」の産業構造転換と競争力強化〉
 ▽カーボンニュートラルを見据えた産業構造の転換▽ものづくり産業のDX等による競争力強化▽基幹産業の競争力強化に直結する国際物流機能の強化
 〈地域産業の成長化〉
 ▽農林水産業の成長産業化▽地域資源を活用した地域産業の育成と新たな産業の創出
 〈連携と対流によるインバウンドおよび広域観光促進〉
 ▽多様な連携によるインバウンドおよび広域観光の推進
 〈総力戦で挑む防災・減災〉
 ▽総力戦で挑む防災・減災対策等の推進▽安全で安心な住宅やまちづくりの推進▽災害時における圏域内外のバックアップ体制の強化
 〈戦略的インフラメンテナンス推進〉
 ▽総力戦で取り組む次世代のインフラ老朽化対策の推進
 〈地域脱炭素化および生物多様性保全推進〉
 ▽地域脱炭素化の推進▽美しく豊かな自然環境の保全・再生▽地域資源循環の向上▽適正な国土利用・管理
 〈歴史・文化の次世代継承〉
 ▽多彩な歴史・文化の継承