風波・「いつまで復興していないと言い続けるのか」。ある研究者が… | 建設通信新聞Digital

5月20日 月曜日

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風波・「いつまで復興していないと言い続けるのか」。ある研究者が…

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 「いつまで復興していないと言い続けるのか」。ある研究者が「平成19年能登半島地震」の10年後にまとめた調査報告に、こうした声が被災地から聞かれるようになったと記している◆それに異を唱えるように、「時間が経過すれば誰もが復興するほど被災からの復興は予定調和ではない。1年で復興する住民もいれば、10年経っても苦しみ続ける人がいる」とも訴えている◆「実際の生活復興はアップダウンを繰り返しながら軌跡を描く」にもかかわらず、時の流れとともに漂い始める“復興感”は、依然として不安や悩みを抱える被災者の言葉を封じ込める◆今回の震災は発生から2カ月になった。復興段階にはほど遠いものの、過去の教訓を生かし、個々の復興を置き去りにしてはならない。報道に何ができるのかも問われている。