西松建設 社長交代会見/細川次期社長「持続的成長へ礎つくる」 | 建設通信新聞Digital

5月17日 金曜日

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西松建設 社長交代会見/細川次期社長「持続的成長へ礎つくる」

高瀬社長(左)からバトンを引き継ぐ細川常務
【高瀬社長 領域拡大の流れを継続】
 西松建設の高瀬伸利代社長兼執行役員社長とその後任として6月下旬に社長兼執行役員社長に就く細川雅一常務執行役員地域環境ソリューション事業本部長は2月29日、東京都内で記者会見した。高瀬社長が「改革するパワーがある」と、その手腕に期待を寄せる細川常務は「西松建設が持続的に成長していける礎をつくることが使命だ」と抱負を語った。
 細川常務は「(創業からの)150年間、西松建設はどの現場でも課題に真摯(しんし)に向き合い、地域の方とともに構造物をつくり上げてきたDNAがある」と力を込めた。「土木のダム、トンネル、シールド、建築の物流、住宅、データセンターで強みを発揮しながら、洋上風力発電や中高層木造建築への進出など新しい分野に挑戦し、成長していきたい」と展望した。
 現状の課題には担い手の不足を挙げた。「建設業界を支える資産は人であり、その人が不足しているということは大きな課題だ」と指摘。「魅力的な現場をつくるとともに、持続的に発展していける姿を発信していくことが大事だ。地道に進めていかなければならない」と説明した。
 高瀬社長は「西松建設は建設業以外への領域拡大を進めているが、領域を広げるためには会社の根幹である現場の実態を熟知していることが欠かせない。細川氏は土木出身で20年にわたって現場を経験し、現在は新規事業を手掛ける部門の長であるなど経験が豊富で、これからの西松建設が目指すビジョンにふさわしい人物だ」と任命の理由を説明した。
 自身の在任期間中には、社長に就任した18年に策定した長期ビジョンである『西松-VISION2027』に沿って経営を進め、23年には新たな長期ビジョン『西松-VISION2030』を発表した。「ポートフォリオの大半を占めていた建設事業に加え、アセットバリューアッド(AVA)などを収益の柱にするべく進めてきた」と振り返り、「AVA事業は10年前から取り組んでおり、かなりの人材が育ってきた。AVAのプロ集団になっている。環境エネルギー事業では資本業務提携を結んでいる伊藤忠商事との異業種連携を打ち出すことで差別化できている。単独でやってきた時以上に情報が増えている」とその成果を口にした。
 「(長期ビジョンは)『2027』 を進化させた形で『2030』をつくり上げることができた。 『2030』の策定には細川氏も参画しており、 方向性を共有した上でのバトンタッチだ」と会社のさらなる成長に期待を寄せた。