
日本建築家協会(JIA、佐藤尚巳会長)と日本建築士会連合会(古谷誠章会長)は18日、建築家・建築士の職能を示す新たな資格「JAPANアーキテクト(仮称)」制度の創設に向けて基本合意した。新制度は、JIAの「登録建築家」と士会連合会の「統括設計専攻建築士」を基礎資格とし、国際的教育要件を満たす者を認定する仕組み。2028年度の運用開始を目指し、詳細な制度設計を詰める。
対象は、一級建築士である統括設計専攻建築士または登録建築家で、大学以上の教育課程を5年以上修了した者、もしくは同等以上と認められる者。認定は本人申請に基づいて行い、有効期間は3年とする。いずれかの既存資格の更新が続いていれば、新資格も自動で更新する方向で制度設計を進める。
制度創設の背景には、UIA(国際建築家連合)が求める建築教育と、日本の既存制度とのずれがある。国際的には「UNESCO―UIA建築教育憲章」に基づき、建築家には5年以上の専門教育が求められている。共通の資格で国際的なギャップの解消を図る。
二会は26年度中に制度設計を終え、27年度に運用体制を整える。同年度後半に制度周知を始め、同年10月以降に申請受け付けを開始。28年度からの資格発効を目指す。
同日、東京都渋谷区の建築家会館で会見した古谷会長は、教育要件の認定について、既存のJABEE(日本技術者教育認定機構)の認定制度を紹介。その上で、非認定校の出身者や学部卒で実績を積んだ既存資格者の扱いなどを今後の課題に挙げた。
佐藤会長は「建築家はこれまで実際には自称の資格で、社会的な認知や信頼を高めることが悲願だった。国際的に通用するアーキテクトという名称を公にできることは大きな意味がある」と強調。古谷会長も「究極の目標は、これから育つ若い世代の建築家、建築士が、世界でこれまで以上に堂々と活躍できるようにすることだ」と展望を語った。
国際基準を満たせば、将来的に他国との資格相互認証につながる可能性がある。二会は今後、日本建築学会やJABEEとの連携も進め、APECアーキテクトとの接続も視野に入れる。
