日本建設業連合会(宮本洋一会長)は、金子恭之国土交通相と建設業4団体との意見交換会での合意事項を踏まえ、技能労働者の賃金水準の引き上げに向けた日建連としての取り組みを25日の理事会で決議した。同日付で「おおむね6%の賃上げ」に沿う下請け契約の締結などを求める会長通知を会員各社に送付した。 6%の賃上げは、特に民間工事での資材高騰や民間建設市場の競争激化などを考慮すると、大変厳しい状況にあると言わざるを得ないとしつつ、公共工事設計労務単価の引き上げと技能労働者のさらなる賃上げという好循環を継続していくため、日建連全体の取り組み方針を理事会の総意として決めた。
宮本会長は理事会後の記者会見で「金子大臣から、建設業は今、大きな転換点を迎えており、将来に希望が持てる、若者にも魅力的な新しい時代の建設業を一緒につくり上げていきたいとの言葉を頂戴し、大変心強く受け止めている。日建連としても会員企業一丸となって全力で取り組む」と述べた。
日建連会員企業は「労務費見積り尊重宣言」に基づき、1次協力会社への見積もり依頼に際して、賃上げ目標の趣旨にかなう適正な労務費を内訳明示した見積書の提出要請を徹底し、当該見積もりを確認した上でこれを尊重する。
下請け契約に当たっては、社会保険料などの個人負担分も含め、技能者に適切な賃金が支払われるよう1次協力会社に確実に要請する。直接の契約関係がない2次以下の協力会社に対しても、1次などを介して適切な支払いを順次確実に依頼する。
また、公共、民間工事を問わず、ダンピング(過度な安値受注)など公正な競争を妨げる行為を慎むよう改めて要請。適正価格での受注、適正工期の確保、適正な契約条件の確保を徹底する。
国交省が3月から適用開始した新たな設計労務単価は、全国全職種平均で4・5%の引き上げとなった。業界内からは、4・5%の単価上昇に対して、6%の賃上げは厳しいとの声も聞かれるが、宮本会長は「われわれとしても、しっかりと行き渡りに取り組み、次につなげる必要がある」と気を引き締める。
日建連は新長期ビジョンの中で、年平均7%以上の持続的な賃上げによる技能者の所得倍増を目標の一つに掲げている。国交省との申し合わせは業界全体の目標だが、日建連としては実態の底上げを図りつつ、7%以上の実現を目指して取り組む考えだ。
