日本建設業連合会の建築本部は、2026年度に「生産性向上合同会議」を新たに立ち上げる。昨年7月に策定した建設業の新長期ビジョンに掲げた10年間で生産性25%向上といった高い目標の達成に向け、分野横断的な会議体にさまざまな知見を集め、実現への道筋を描く。まずは、比較的早期の効果発現が期待できるBIMの最大限活用や、部材の標準化・規格化などが主な論点になりそうだ。
合同会議の設置は、26年度事業計画に新規に盛り込んだ。建築運営会議に連なる委員会横断型活動の一つに位置付ける。参加メンバーは、建築設計、建築生産、建築制度、建築技術開発、住宅の各職能別委員会から募る予定だ。
日建連は新長期ビジョンの中で、35年に25年比で生産性25%向上という目標を設定した。これは建築分野に限ったものではないが、工業化・規格化やAI(人工知能)・ロボットの活用などによる建設現場のオートメーション化・スマート化、BIMやXR(仮想空間技術)などのデジタル技術を駆使した建設プロセス全体の省人化・省力化に取り組む姿勢を打ち出した。
担い手確保と生産性向上は、引き続き建設業界が抱える最重要課題の二つだが、生産年齢人口の減少で人を増やすことのハードルが上がる中、人手や時間をかけないで済むようにする生産性向上の重要度が増している。日建連の蓮輪賢治副会長・建築本部長は記者会見などでかねてより、適正な工期や価格の設定を実現する発注者理解の獲得とともに、自助努力としての生産性向上の重要性を指摘している。
関係者の多い建築分野は、企画・計画、設計、施工、維持管理、さらには意匠、構造、設備などのプロセスや専門領域ごとに、縦割りになりがちという。個社の垣根を越えて、それぞれのプロフェッショナルが集える日建連という総合的な組織を生かし、シームレスな議論を展開してスピーディーに最適解を探る。既設の建築BIM合同会議とも連携する。
担当幹部によると、合同会議の設置時期や具体的なテーマ・目標などは未定だが、生産性25%向上を実現するためのロードマップのようなものを作りたい考え。本格的なロボット生産などはまだ先になるとみられることから、まずは建築生産のワークフローを大きく変えうるBIMのさらなる活用をはじめ、プロジェクト上流段階からの部材の標準化・規格化などが当面の検討テーマになりそうだ。
建築分野のBIM活用は長期ビジョンの中でも、発注者、設計者、施工者、協力会社など全ての関係者が同一のプラットフォーム上で、ユーザーに最も効果的な建物を最も効率的に作り上げるツールとしての役割を果たすことが期待されると言及している。
このほか、建築運営会議直下の横断型活動として、民間発注者とのウィンウィン関係構築への対応も新規に始める。参加メンバーは、不動産協会の申し入れに基づくトップレベル協議体の議論の進展を待ちつつ、詳細テーマの検討などに関与することになる模様だ。
