東京都建設局が事業主体となり、東京都港区~品川区の京浜急行電鉄湘南線と第1号分岐線(泉岳寺駅~新馬場駅)で実施する連続立体交差事業について、事業完了を2029年度から36年度に延伸することが分かった。要因として、高輪築堤など埋蔵文化財調査工事の長期化や、品川駅周辺の他事業との工事輻輳(ふくそう)を挙げている。25年度末時点での全体事業費は、前回評価した22年度から983億円増の2230億円とし、工事費も同じく961億円増の2135億8100万円とした。
建設局は9日、事業評価委員会を開き、同事業を取り上げた。事業箇所は港区高輪2~品川区北品川2の延長約1・7キロ。21年6月に着手しており、仮設工事、文化財調査、用地取得などを進めている。事業費の負担は、都側が1744億円で全体の78・2%、鉄道側が486億円で同21・8%。事業費高騰の要因として、建設資材・労務費などの高騰(365億円)や、埋蔵文化財調査に伴う工法変更(141億円)などがある。
高輪築堤について、JR東日本は25年7月に整備基本計画を策定。また、TAKANAWA GATEWAY CITY5・6街区のまちづくりとの両立を前提に、一部を現状のまま保存する方針を示している。
事業費ベースの執行状況は、全体が34・4%(766億9100万円)で、工事費が31・8%(680億1500万円)、用地費が92・1%(86億7600万円)。用地取得率は98・2%。
コスト削減に向け、周辺の開発事業と一体的に施工するなどの可能性を検討するとした。
同委員会では、東武鉄道伊勢崎線(とうきょうスカイツリー駅付近)の連続立体交差事業も扱った。事業主体は墨田区。事業箇所は、墨田区押上2~向島1の延長約0・9キロ。18年1月に高架化工事を着手しており、現在は留置線など高架橋工事と駅舎工事を進めている。鉄道側の負担も含めた事業費は、前回評価した24年度から106億8900万円増の599億1000万円で、事業費ベースの執行率が60・4%。増加の要因として、労務費や資材単価の上昇のほか、近隣への配慮に伴う施工方法の変更を挙げた。29年度末の事業完了を目指す。
そのほか、新島港と神津島における離島ターミナル整備事業も評価した。
