国土交通省は、1級建築士試験制度の見直しに向けた議論を始めた。改正建築士法に基づく在学中受験導入に向けて、修得すべき単位の条件や卒業見込みの定義などを検討する。ストック型社会やデジタル化への対応など中長期的な制度見直しについても方向性を定める。改正法は2029年7月末までに施行するため、在学中受験に関する見直しについては施行日までに取りまとめを行う。ただ、ある程度方針が固まった段階で中間報告することも視野に入れている。
1級建築士は現在、全国約14万人弱が実働。高齢化が進行し、将来の担い手確保が課題となっている。
7月の特別国会で成立した改正建築士法では試験の受験機会を広げるため、大学などで一定の単位を取得し最終学年で卒業見込みがある場合、在学中に1級・2級・木造建築士試験を受験できるようにした。2級建築士から1級建築士を目指す場合の資格要件は、2級建築士になる前の実務経験が8年以上あることなどを条件に、2級建築士としての実務経験を従来の4年から2年に短縮する。
こうした法改正を踏まえ、国交省は中央建築士審査会の下に小委員会を設置し、今後の試験制度の在り方を定めることとした。
19日の初会合では、委員長に清家剛東大大学院教授を委員長に選任したほか、試験制度の現状や今後の論点について確認した。前田亮国交省住宅局建築指導課長は「1級建築士試験制度は、建築の安全・安心の質を支える根幹的な制度だ。一定の合理化を図りつつ社会の変化に対応しながら信頼性を確保していくことが重要になる。皆さんにはより良い制度となるよう、幅広い視点から忌憚(きたん)のない意見をお願いする」と出席者に呼び掛けた。

