議員立法による改正官公法(旧官庁営繕法)について、会期中の臨時国会での成立に向け自民党内での審議が進んでいる。改正法では耐火規定に関し、災害時の応急対応を要しない庁舎は建築基準法並みの基準に緩和することで木造化を促進させる。一方、中央省庁や地方の合同庁舎など応急対応を担う庁舎については、面積要件に関わらず一律で耐火建築物とすることを義務付け、災害対応機能の喪失を防ぐ。
23日の自民党国土交通部会では改正法の方向性について一定の了承を得た。「官公庁営繕を考える議員の会」の事務局長を務める宮本和宏参議院議員は、部会終了後に報道機関からの取材に応じ、今後、他党との調整などを経て11月中旬までに条文審査を済ませたい考えを示した。
官公法は1951年に制定し、56年に一部改正して以降、一度も法改正を行っていない。当時は都市火災対策が最優先の課題であったことから、官公庁施設はRC造や鉄骨造などの不燃施設を原則とする方針を打ち出した。そのため、木材利用は困難な状態となっている。近年は、建築基準法や消防法の改正とともに、建築技術の向上により木造でも安全性を保ったまま中高層建築物の建設が可能となっている背景を踏まえ、木材利用の活性化や建築コストの削減の観点から現行法の耐火規定を見直す。
現行法を見ると、防火地域では、建築基準法で延べ1500平方メートルを超える施設を耐火建築物とすることを規定しているが、官公法では延べ300平方メートル超と「上乗せ規制」となっている。準防火地域以外の地域の防火規定は、建築基準法が3000平方メートル超、官公法が1000平方メートル超としている。
現在検討している改正官公法では、災害応急対応を要しない庁舎は建築基準法並みの基準に緩和する方針だ。施設例としてハローワークや税務署、労働基準監督署などを想定しているが、詳細な線引きについて今後検討を深める。
