【世界文化賞】建築部門にラファエル・モネオ氏を選定 初のスペイン人受賞 | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

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【世界文化賞】建築部門にラファエル・モネオ氏を選定 初のスペイン人受賞

ラファエル・モネオ氏

 世界の優れた芸術家に贈られる高松宮殿下記念世界文化賞(日本美術協会主催)の第29回受賞者が12日に発表された。建築部門はスペインを代表する建築家のラファエル・モネオ氏が選ばれた。スペイン人建築家の受賞は初めて。10月18日に東京都港区の明治記念館で授賞式が、19日に同区の鹿島KIビルで受賞記念建築講演会が開かれる。
 モネオ氏は1937年スペイン・ナバラ州生まれ。敷地の歴史的背景を重視し、環境と調和させて都市空間に溶け込む洗練された建築をデザインする。初期から石やレンガを使っているのが特徴で「建築を決定するのは形態より材料。建築家は誰でもデザインを始める前に最良の材料を求めるもの」と語っている。96年にプリツカー賞、2003年にはRIBA(王立英国建築家協会)ゴールドメダルを受賞。米ハーバード大などで教職に就き、教育者・理論家としての顔も持つ。これまで2度来日し、日本絵画や寺院などの伝統建築に魅了されたという。

アトーチャ駅・新駅舎

 主な作品はローマ時代さながらにレンガで壁を覆った「国立古代ローマ博物館」(スペイン・メリダ、86年)や、整然とした規則性ある正方形が連続する天井を持つ「アトーチャ駅・新駅舎」(同・マドリード、92年)、「天使のマリア大聖堂」(米国・ロサンゼルス、02年)、新旧の建築を見事に融合させた「プラド美術館新館」(マドリード、07年)などがある。

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