【時の移ろいも暮らしを彩る】岡野道子氏『宮城野の家』 自然との間のグラデーショナルな緩衝空間を創出 | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【時の移ろいも暮らしを彩る】岡野道子氏『宮城野の家』 自然との間のグラデーショナルな緩衝空間を創出

 仙台市東部の住宅地に建つ『宮城野の家』。建築家で芝浦工大特任准教授の岡野道子氏(岡野道子建築設計事務所代表)が独立後、初めて手掛けた新築住宅だ。「将来的に計画道路に面する土地で、近隣は新たに刷新されつつある住宅が密集している」敷地条件にあって、2階部分を周囲からセットバックして光を取り入れている。「白い空間が光を溜め、吹き抜けを介して1階へと光を注ぎ込む。1階のキッチン、リビング、和室、寝室は、中央のコアの廻りにコの字型のひとつながりの空間のため、光が回り込む。プライベートな空間に近づくにつれ屋根高さが低くなり奥性が生まれている」と岡野氏。
 「雲の流れによって穏やかに室内の明るさが変化し、自然との間のグラデーショナルな緩衝空間が生まれた」という、時の移ろいも暮らしを彩る明るく快適な住環境を創出している。

自然光や風が吹き抜けを介して降り注ぐ明るい空間。登り梁が中央のコア廻りの高さの変化する梁に向かって架け渡されているため、屋根面そのものは3次曲面となる *撮影=中村絵

▽建設地=仙台市宮城野区
▽規模=木造2階建て延べ105.60㎡
▽敷地面積=211.57㎡
▽竣工年月=2018年9月
▽設計=〈意匠〉岡野道子建築設計事務所、〈構造〉オーク構造設計、〈木架構製作〉シェルター

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