【トータル提案につなげる】コロナ対策で需要増 アイリスオーヤマのAIカメラソリューション | 建設通信新聞Digital

4月26日 金曜日

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【トータル提案につなげる】コロナ対策で需要増 アイリスオーヤマのAIカメラソリューション

 新型コロナウイルス感染症対策で、医療施設やオフィスなど多くの人が出入りする施設向けに、入退場者を非接触で素早く検温し発熱者を検知する機器・サービスの需要が高まっている。その需要に早くから対応したのが、4月にAIカメラソリューション事業を開始し、非接触で検温できるカメラなどを発売したアイリスオーヤマだ。

顔認証型AIサーマルカメラ使用例


 同社の本所翔平IoTソリューション事業部事業部長は、6月末時点でカメラなどの販売台数が想定比の約2倍で推移していることを踏まえ「緊急事態宣言の解除後、官公庁、医療施設、教育機関、オフィス、スポーツ施設を中心に多くの問い合わせがあり、一時的な需要ではない」と語る。

 同社は法人向けLED事業において、天井に照明とともに設置する監視目的のネットワークカメラを2015年から提案していた。その中で構築していた全国60の営業拠点や、施工・アフターサービスの体制を生かしつつ、働き方改革に着目し、AI(人工知能)を搭載したカメラで多様なニーズに対応するため、AIカメラソリューション事業を準備していた。

 法人向けLED事業で整えた体制や販売ネットワークを同社が他事業へ活用する事例は、AIカメラソリューション事業以前にもある。18年に参入した建築内装材(手すり、天井点検口、AEDボックス、消火器ボックスなど)の製造販売や、19年に参入したスポーツ施設事業(人工芝やスタジアムチェア、LEDサイネージなど)が挙げられる。

 こうした背景について、AIカメラソリューション事業では「メーカーダイレクトの営業体制や施工体制、アフターサービス体制が整っており、LED照明以外にワンストップでお客様の課題を直接解決するソリューション提案ができると考えている。現在LED照明をはじめ、空間の内装施工の提案など、AIカメラなどを組み合わせてトータル提案ができることが当社の強みと見ている」(本所事業部長)という形でプラスになっている。組み合わせた提案の一例に、7月に発売した「顔認証型AIサーマルカメラ」がある。カメラで発熱異常者を検知する他、マスク着用者のみ入場を許可するマスク着用強制モードや出退勤登録できる勤怠モードを搭載した。この入場許可や出退勤登録と、ドアの電気錠の施解錠を連動させるなど、カメラ以外も含めた空間全体へ提案を広げている。「さまざまな施設での課題解決に役立つトータル提案を加速させる」(同)とし、法人向け事業の新たな柱として事業拡大を図る。

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