【仮囲いに街を彩る現代アート】"都市の移り変わり"テーマに 東急・渋谷二丁目17地区再開発 | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【仮囲いに街を彩る現代アート】“都市の移り変わり”テーマに 東急・渋谷二丁目17地区再開発

 東京都渋谷区の渋谷駅東口エリアで工事が進む渋谷二丁目17地区第一種市街地再開発事業の仮囲いに街を彩る現代アートが登場した。再開発組合に参画する東急は、同社の文化事業のノウハウを生かし、街ににぎわいを生む8点の作品を仮囲いに使用した。


仮囲いにアート作品を採用した工事現場




 「単に工事現場に彩りを添えるだけでなく、生き生きとした文化芸術に接する機会をつくりたい」と、渋谷開発事業部開発計画グループ開発計画(5)担当の田中晃吉課長補佐はその狙いを語る。同社は、大型複合施設の東急文化村や渋谷ヒカリエのヒカリエデッキ4階で実施するヒカリエデッキ壁画アートプロジェクト、街歩きを楽しみながら展示作品を鑑賞する渋谷ファッションウィークといった独自の取り組みを展開する。仮囲いアートは、これらの施策が目指す「文化事業を通じた街のにぎわい創出」「アートにより世界が憧れるまちづくりを目指す」という戦略実現を見据えた試みの1つとなる。
 組合の意向を踏まえ、『都市の移り変わり』をテーマに作品を公募した結果、集まった18作品の中から展示作品を選んだ。場所や時代、公共空間の視点のほか、全体のバランスを考慮して組合が選出した。1日に作品を披露し、5人の作家がサインを加えた。

23階建て延べ4.4万㎡。 24年度中の完成を目指す

 再開発事業では、総事業費約300億円を投じ、地下4階地上23階建て延べ約4万4500㎡(高さ約120m)の複合ビルを建設する。12月から新築工事に着手しており、2024年度中の竣工・開業を目指している。
 工事に当たっては、急勾配の坂道の中腹に位置する計画地の特徴を踏まえ、ヒカリエの貫通通路やヒカリエデッキから上下移動のストレスを感じずに青山側への移動が可能な導線を確保する。ヒカリエ、青山側には広場空間を創出し、周囲を回遊する人たちが立ち止まり食事をする場をつくる。
 建物の1-4階は商業施設、5-23階にはオフィスを置く。23階の一部は屋上スペースとして開放する。オフィスの基準階は1325㎡で、渋谷では希少なハイグレード中規模オフィスとなる。
 
 再開発組合の構成員は、東急のほか、塩野義製薬、南塚産業、NANZUKA、東宝、太陽生命保険。設計は東急設計コンサルタント・三菱地所設計・パシフィックコンサルタンツJV、施工は竹中工務店が担当している。
 施行区域は、渋谷区渋谷2-100の敷地面積約5000㎡。20年12月から解体工事を進めており、12月1日時点の解体工事の進捗率は80%となっている。



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