工事費は最大264億/保健医療大機能強化 29年度着工を想定/千葉県が検討委 | 建設通信新聞Digital

5月2日 金曜日

関東・甲信越

工事費は最大264億/保健医療大機能強化 29年度着工を想定/千葉県が検討委

 千葉県健康福祉部は3月4日、千葉市の同県庁で「保健医療大学の機能強化に向けた調査検討会議」(座長・中村丁次神奈川県立保健福祉大名誉学長)の第4回会合をオンライン併用で開いた。コンサルタントを務める日本開発構想研究所は、施設整備に必要な工事費を最大264億円と試算した。県は、これまでの会議での意見をまとめ、4月までに調査検討事業報告書を公表する。
 工事費は2029年度の着工を想定し、RC造校舎の建設単価上昇率を推計して試算した。工事費の内訳は建築と耐震改修、大規模改修、解体、外構。単価は▽24年度の単価▽年7%上昇した場合の単価(19-23年度の上昇率の平均)▽年11%上昇した場合の単価(22・23年度の上昇率の平均)--の3パターンで設定した。
 キャンパス配置では、▽幕張キャンパス統合(建て替えまたは大規模改修)▽仁戸名キャンパス統合▽2キャンパス現状維持▽2キャンパス再編(建て替えまたは大規模改修)--を検討している。
 24年度の単価では、幕張キャンパスへの統合が新校舎建替で149億2700万円、大規模改修は95億4600万円。仁戸名キャンパス統合は156億7800万円、2キャンパス現状維持が96億2100万円、2キャンパス再編が建て替え150億0600万円、大規模改修は96億2500万円と試算した。
 年7%上昇の単価では、幕張キャンパスへの統合が新校舎建替で209億3600万円、大規模改修は133億8800万円。仁戸名キャンパス統合は219億8900万円、2キャンパス現状維持が134億9400万円、2キャンパス再編は建て替えが210億4600万円、2キャンパス大規模改修で134億9900万円を見込む。
 年11%上昇の単価では、幕張キャンパスへの統合が新校舎建替で251億5300万円、大規模改修では160億8500万円。仁戸名キャンパス統合は264億1800万円、2キャンパス現状維持が162億1100万円、2キャンパス再編が建て替えは252億8600万円、2キャンパス大規模改修が162億1800万円と算出した。
 幕張キャンパスへの統合かつ建て替えでは、4階建て延べ2万2330㎡の新校舎を建設する。大規模改修では既存校舎を改修しつつ、6階建て延べ7600㎡の中規模校舎を整備する。仁戸名キャンパスへの統合では2階建て延べ2万3000㎡の新校舎を設ける。
 2キャンパス現状維持は、両キャンパスの既存校舎を大規模改修し、幕張に中規模新校舎、仁戸名には小規模新校舎を建設する。2キャンパス再編では、幕張が既存校舎の大規模改修と大規模新校舎の整備、または既存施設を全て大規模新校舎に建て替える。仁戸名は既存校舎を大規模改修する。
 県は今後、報告書を基に10月までに機能強化の方向性を決める。モデルスケジュールでは、26年4月から基本計画の策定に着手し、27年4月に基本設計を委託する。28年4月から実施設計を進め、29年4月に建設や改修工事に着手する。31年4月の新施設供用開始を目指す。
 保健医療大学は、旧千葉県立衛生短期大学(現在の幕張キャンパス)と旧千葉県医療技術大学校(現在の仁戸名キャンパス)を統合して09年4月に開学した。