東洋エンジで26年1月着工/北九州に電池素材新工場/日本触媒 | 建設通信新聞Digital

5月2日 金曜日

中国・四国・九州

東洋エンジで26年1月着工/北九州に電池素材新工場/日本触媒

野田社長(左)と服部知事
 日本触媒は、北九州市若松区の響灘地区にリチウムイオン電池の素材を製造する新工場を建設する。設計施工は東洋エンジニアリングが担当しており、2025年末までに詳細設計を終え、26年1月の着工、28年7月の商業運転開始を目指す。投資額は約375億円を見込む。7日に北九州市と立地協定を結んだ。
 新工場で製造するリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)は、リチウム電池用の電解質で、既存の製品と比べて電池の長寿命化や急速充電、低温環境下の出力向上が可能で、電気自動車(EV)の需要拡大が見込まれる。生産能力は年間3000t。今回は、敷地面積約6万5000㎡の半分を使って化学プラントをはじめとした施設を整備し、将来的な施設拡張の余地を残す。
 建設地の選定理由については、物流、ユーティリティー設備の利便性、災害リスクの低さ、自動車・環境関連産業の集積を挙げた。
 同日には、同社の野田和宏社長ら幹部が福岡県庁を訪問し、服部誠太郎知事に事業概要や今後の展望を報告した。服部知事は「福岡県がグリーンな先端モビリティーの一大生産拠点に発展する上で非常に大きな弾みになる」と歓迎の意を示した。野田社長は「新工場建設と事業拡大を進め、福岡県に貢献できるように努めたい」と述べた。