
歌舞伎を題材とした映画『国宝』の勢いが、上映開始から1カ月がたっても止まらない。興行通信社によると、累計観客動員は400万人近くで、興行収入も56億円を超えた◆先日、映画館で見る機会があった。歌舞伎における伝統と才能、足運びや間の取り方、指先の角度など、多彩な要素が盛り込まれた作品で、上映時間が3時間近くあったが、どの場面も釘付けとなり、あっという間だった◆映画としての構成や演出には、圧巻の一言しか出ない。見終わった後、さまざまな感想や思いが去来したが、「神は細部に宿る」という言葉が特に心に残った◆細部にまで心を込めて取り組むのは、建設業をはじめ全ての仕事にも当てはまるだろう。観客がいるわけでなく、スポットライトが当たらないような業務でも、細部にこだわりたい。