【営業本部の方向性は?/グループ連携と提案技術力強化】
鹿島道路の田村嘉英常務執行役員営業本部長は、会社経営を左右する受注量の確保という営業の役割を担う中で、「顧客や案件の情報交換による鹿島グループの連携強化とともに、提案技術力を高め、官庁元請けの拡大と、支店のカラーを生かした地域に合った事業戦略を展開し、全体の受注量を底上げしていく」と決意を示す。受注確度をさらに高めるための技術提案力の強化も注力事項に掲げ、組織改革も実施した。同本部の方向性を聞いた。 営業本部は、営業企画部、営業部、戦略事業部、技術監理室に加え、今年4月に技術開発本部から営業本部の傘下に入った提案技術推進室から成る。特に、提案技術力を強化するため、提案技術推進室と戦略事業部との連携を一層強め、技術開発本部とも積極的に情報共有する。
道路舗装業の市場環境については、国土強靱化の投資に急激な変化はなく安定を維持する中、「床版の架け替えなどインフラの維持補修が増加する」とみる。「道路インフラ関連の需要が見込まれる中、労務の逼迫(ひっぱく)や物価高騰など環境は厳しい」としつつ、「米関税政策の影響で建設業界に追い風が吹くタイミングで営業のかじ取りを任された」と表情を引き締め、山積する課題に果敢に立ち向かう。
合材製造量が低迷している中、舗装工事の比率を高めたい考え。「出荷を見込める中央官庁・民間からの直接受注に注力し、受注・製造量の確保に努める」とし、安定した経営環境を構築する。
また、建築工事を安定して受注するため、首都圏や西日本連携、北日本連携といった、支店間JVの組成や、人材を流動化させる取り組みを行っている。JVを組みながら案件を増やし、積極的に情報交換していく。
2年目に入った中期経営計画は、「戦略(方向性を示す)・戦術(具体的な対応策)・戦闘(行動)」を念頭に、目標達成へまい進する。そのため、本・支店と連携して情報共有し、ささいなことでも相談できる体制づくりを推し進める。「自らが関与してコミュニケーションを取り、本・支店内の風通しを良くして、さまざまな課題に立ち向かって早期に解決する」ときっぱり。
「コンプライアンスは全てに優先する」という言葉を前職の関西支店長時代から継続的に伝えており、「まずは再生合材問題からの信頼回復が一番」と口元を引き締める。
また、「収益性を重視した経営を目指し、新しい鹿島道路を築き挙げる年にする」との社長方針に従い、収益性を高めて同業他社に負けない組織とする。そのため、営業本部がかじを取って採算性の確保を目指し、受注前の施工前検討会での議論を徹底するなど、利益の向上に努める入り口とする。
* *
(たむら よしひで)1985年3月東洋大工学部土木工学科卒後、同年4月鹿島道路入社。2023年4月執行役員関西支店長などを経て、25年4月から現職。趣味はゴルフとウオーキング。吉田松陰の言葉の一部である「計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし」「良いことは良い、悪いことは悪い」と言える人になることから“是々非々”を心に留める。大型の造成工事で所長を務めたことを思い出に残った仕事に挙げ、「当時の経験は、関西支店の営業部長、支店長時代にも生きた」という。61年6月12日生まれ、64歳。
鹿島道路の田村嘉英常務執行役員営業本部長は、会社経営を左右する受注量の確保という営業の役割を担う中で、「顧客や案件の情報交換による鹿島グループの連携強化とともに、提案技術力を高め、官庁元請けの拡大と、支店のカラーを生かした地域に合った事業戦略を展開し、全体の受注量を底上げしていく」と決意を示す。受注確度をさらに高めるための技術提案力の強化も注力事項に掲げ、組織改革も実施した。同本部の方向性を聞いた。 営業本部は、営業企画部、営業部、戦略事業部、技術監理室に加え、今年4月に技術開発本部から営業本部の傘下に入った提案技術推進室から成る。特に、提案技術力を強化するため、提案技術推進室と戦略事業部との連携を一層強め、技術開発本部とも積極的に情報共有する。
道路舗装業の市場環境については、国土強靱化の投資に急激な変化はなく安定を維持する中、「床版の架け替えなどインフラの維持補修が増加する」とみる。「道路インフラ関連の需要が見込まれる中、労務の逼迫(ひっぱく)や物価高騰など環境は厳しい」としつつ、「米関税政策の影響で建設業界に追い風が吹くタイミングで営業のかじ取りを任された」と表情を引き締め、山積する課題に果敢に立ち向かう。
合材製造量が低迷している中、舗装工事の比率を高めたい考え。「出荷を見込める中央官庁・民間からの直接受注に注力し、受注・製造量の確保に努める」とし、安定した経営環境を構築する。
また、建築工事を安定して受注するため、首都圏や西日本連携、北日本連携といった、支店間JVの組成や、人材を流動化させる取り組みを行っている。JVを組みながら案件を増やし、積極的に情報交換していく。
2年目に入った中期経営計画は、「戦略(方向性を示す)・戦術(具体的な対応策)・戦闘(行動)」を念頭に、目標達成へまい進する。そのため、本・支店と連携して情報共有し、ささいなことでも相談できる体制づくりを推し進める。「自らが関与してコミュニケーションを取り、本・支店内の風通しを良くして、さまざまな課題に立ち向かって早期に解決する」ときっぱり。
「コンプライアンスは全てに優先する」という言葉を前職の関西支店長時代から継続的に伝えており、「まずは再生合材問題からの信頼回復が一番」と口元を引き締める。
また、「収益性を重視した経営を目指し、新しい鹿島道路を築き挙げる年にする」との社長方針に従い、収益性を高めて同業他社に負けない組織とする。そのため、営業本部がかじを取って採算性の確保を目指し、受注前の施工前検討会での議論を徹底するなど、利益の向上に努める入り口とする。
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(たむら よしひで)1985年3月東洋大工学部土木工学科卒後、同年4月鹿島道路入社。2023年4月執行役員関西支店長などを経て、25年4月から現職。趣味はゴルフとウオーキング。吉田松陰の言葉の一部である「計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし」「良いことは良い、悪いことは悪い」と言える人になることから“是々非々”を心に留める。大型の造成工事で所長を務めたことを思い出に残った仕事に挙げ、「当時の経験は、関西支店の営業部長、支店長時代にも生きた」という。61年6月12日生まれ、64歳。