フィーチャーインタビュー2025・JFEエンジニアリング 福田 一美 社長 | 建設通信新聞Digital

8月25日 月曜日

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フィーチャーインタビュー2025・JFEエンジニアリング 福田 一美 社長

【世界で戦える企業を目指す/M&A、業界再編が不可欠】

 2035年度に経常利益1000億円を目指す長期ビジョンを策定し、「50年度にはグローバルトッププレーヤーに飛躍する」と野心的な目標を掲げた。その実現に向け「海外事業の拡大、M&A(企業の合併・買収)や業界再編が不可欠」だとして積極的な施策を打っていく。  --長期ビジョンのポイントは
 「サーキュラーエコノミー(循環経済)とCO2削減の2分野を中心に社会に貢献していく。35年度にはセグメント経常利益1000億円超を目指す。利益が1000億円以上であれば、売り上げ事業規模は1兆円超になると考えている」
 「エンジニアリング業界で経常利益1000億円超のレベルを安定して達成した企業はない。誰も成し遂げたことがないレベルの事業を目指すために1000億円を宣言した。これを達成した先に、50年度には世界で戦えるグローバルトッププレーヤーが視野に入る」
  --ビジョン達成への施策は
 「四つの柱で構成している。まず、既存事業の収益力を高めることだ。次に既存事業の収益を運営型事業に継続投資し、利益を積み増す。3番目は海外事業を安定的に黒字化し拡大する。そして、利益を生み出す事業の収益力をより高めるために、経営資源を投入するポートフォリオシフトを進めるとともに、M&Aや業界再編を仕掛ける」
 「分野別の利益目標は、ごみ焼却発電やリサイクル事業の環境分野が370億円、エネルギーと電力ビジネス、洋上風力を合わせたカーボンニュートラル分野が310億円、鋼構造橋梁などの基幹インフラ分野を120億円とした。残りの200億円がM&Aや業界再編による利益の積み増し分になる」
  --足元の第8次中期経営計画(25-27年度)の戦略は
「27年度の目標を受注高8000億円、売上高7000億円、利益をROS(売上高経常利益率)6%の420億円に設定した。7次中計での洋上風力の着床式基礎を製造するモノパイル製作所などへの投資の成果を期間中に収益化する。EPC(設計・調達・建設)やO&M(運営・維持管理)など既存事業の収益力と競争力も強化する。事業拡大に備えDX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した業務改革と、変化を積極的に受け入れ、オープンな議論ができる組織を目指し風土改革にも力を入れる」


 (ふくだ・かずよし)60年代後半から70年代のプログレッシブ・ロックやハードロックが大好きで、高校・大学時代にはバンドを組み、ドラムをたたいていた。大好きな曲をスマートフォンに取り込んで聴くだけでなく、カラオケでも歌う。“ロック魂”を胸に、強い会社の実現に向け果敢に挑戦し続ける。