8ダム中心に選定/ハイブリッド化へ事業者公募/既設ダムの発電施設新増設/国交省 | 建設通信新聞Digital

10月11日 土曜日

行政

8ダム中心に選定/ハイブリッド化へ事業者公募/既設ダムの発電施設新増設/国交省

 国土交通省は、ハイブリッドダム実現を目的とした既設ダムの発電施設新増設について、事業者選定中の3ダムに続く事業者公募に向けて対象となるダムを検討している。3ダムの公募結果を参考にしながら、水量が少ないことなどを理由に発電施設の設置を見送った国交省管理ダム8基を中心に対象のダムを選ぶ。2025年度後半から26年度にかけて公募を開始したい考えだ。3ダムと同様に民設民営を想定している。 国交省では、気候変動やカーボンニュートラルに対応するため治水機能の強化と水力発電の増強を両立するハイブリッドダムの取り組みを進めている。
 洪水後期放流や融雪出水の活用、洪水に達しない流水の一時的な貯留などダム運用の高度化による増電や、堤体のかさ上げによる治水機能の向上に取り組むほか、現在は発電に利用されていない既設ダムの下流への補給水を活用した発電設備の新設・増設を進めている。
 国交省が管理する湯西川ダム(栃木県)と野村ダム(愛媛県)、尾原ダム(島根県)の3ダムで発電事業や地域振興を担う民間企業を公募型プロポーザルで選定している最中だ。
 湯西川ダムは重力式コンクリートダムで、12年に完成した。規模は、堤高119m、堤頂長320m、総貯水容量は7500万m3。24年12月に公告しており、10月に候補者を特定する。30年4月の運用開始を目指す。
 野村ダムは1982年に建設した重力式コンクリートダム。堤高60m、堤頂長300mで、総貯水容量は1600万m3。1月に公告し、11月をめどに候補者を選定する。運用開始は30年11月を予定する。
 尾原ダムは2010年に建設。重力式コンクリートダムで、堤高90m、堤頂長440.8m。総貯水容量は6080万m3。1月に公告済みで26年1月の候補者特定を予定する。運用は31年4月開始を想定している。