"船の体育館"解体は合田/27年9月の完了目指す/香川県 | 建設通信新聞Digital

10月8日 水曜日

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“船の体育館”解体は合田/27年9月の完了目指す/香川県

 “船の体育館”として親しまれてきた旧香川県立体育館の解体事業者が合田工務店に決まった。県は「旧香川県立体育館解体工事」を総合評価一般入札した結果、8億4700万円(税込み、以下同)で同社に決めた。入札には小竹組も参加し、8億9320万円で応札した。予定価格は9億2041万6200円、低入札価格調査基準価格は8億4678万2200円だった。
 解体規模は、RC造地下1階地上3階建て延べ5423㎡。駐輪場や外構の撤去を含む。2027年9月17日までの完了を目指す。旧県立体育館は、丹下健三が手掛けた戦後モダニズム建築の代表作品となる。国内最初期のつり屋根構造の建築で、東京オリンピックが開催された1964年に竣工。清水建設が施工した。同じ丹下が設計した香川県庁舎東館は端正で繊細なコンクリートの表現であるのに対し、県立体育館は巨大な縁梁とそれを支える大柱から構成する量塊感あふれる力強く荒々しい彫刻的なコンクリートの造形が注目を浴びた。
 老朽化を理由に2014年9月に閉館した。3度にわたる耐震改修工事の入札も不調に終わっている。解体を巡っては、地元建築家らが立ち上げた「旧香川県立体育館再生委員会」が、民間で買い取りホテルとして再生・活用する意向を表明するなど解体と再生で平行線をたどっていた。